2023年(令和5年) 7月2日(日)付紙面より
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出羽三山の主峰・月山(1984メートル)が1日、開山した。月山の御縁年である卯歳(うどし)の今年、ご利益にあずかろうと県内外から多くの参拝者が山頂を目指した。
ウサギは月山神の使者で悪運から免れる力があるとされ、御縁年に参拝すると12年分のご利益があるとされている。
この日の朝、月山8合目駐車場はツアーバスをはじめ、室蘭や水戸ナンバーなど全国各地からの車でいっぱいに。雨風の中、開山祭に参列する白装束の参拝者や登山客は月山中之宮で足を止めると近くのウサギの石像“なでうさぎ”をなでたりし、山頂へ続く鳥居をくぐった。
高山植物が咲く「弥陀ケ原湿原」ではニッコウキスゲや食虫植物のモウセンゴケなどが見られ、登山客が目を輝かせながらカメラのシャッターを切っていた。
東京から家族で訪れた大場勇樹さん(42)は「月山に登るのは初めて。たくさん写真を撮ったり御朱印をもらって記念にしたい」と話した。
午前11時からは山頂の月山神社本宮で開山祭が行われ、多くの参拝者が家内安全や五穀豊穣(ほうじょう)に祈りを込めた。
2023年(令和5年) 7月2日(日)付紙面より
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世界各国を代表する16歳以下の選手がバドミントンのシングルス世界一を懸けて争う「国際バドミントンU16庄内2023」が1日、鶴岡市小真木原総合体育館で開幕した。コロナ禍の影響で2019年の第1回大会以来4年ぶりの大会。10カ国の代表選手32人が出場し、2日までの日程で予選リーグと決勝トーナメントが行われる。
慶應義塾大先端生命科学研究所の前所長で名誉教授の冨田勝さんが中心となって設立した一般社団法人世界バドミントンU16推進協議会が大会を主催。海外の参加国はイングランド、デンマーク、フランス、スペイン、スコットランド、アメリカ、インドネシア、マレーシア、タイの9カ国で、日本からはU16代表の8選手と本県代表の2選手、開催地の鶴岡市代表の2選手が出場した。
初日の1日は男女とも4ブロックに分かれて予選リーグが行われた。各コートでは選手たちが前後左右に素早く動き、力強いスマッシュや技ありのショットを繰り出すと観客席から大きな拍手と応援の声が上がっていた。
県代表で出場した池田花保選手(14)=鶴岡三中3年=は、予選ブロックの初戦でU16日本代表の畠山想来選手(14)=福島県=と対戦。試合後に「(畠山選手は)強かった。シャトルのタッチやコート中央への戻りが速く、戦い方がとても勉強になった」と話していた。
2023年(令和5年) 7月2日(日)付紙面より
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庄内空港ビル(酒田市浜中、山下高明社長)は1日、同ビル2階出発ロビーの冷凍自動販売機による無人店舗で「ANA国際線エコノミークラス機内食メインディッシュ」の販売を始めた。国際線の機内食の販売は、国内空港で初めて。
今年4月下旬に同ビルで販売開始した「世界の機内食」シリーズは、発売2日後に完売するほどの人気ぶりで、月計700食ほどが売れたという。山下社長は「正直こんなに売れるとは思ってなかった。国際線の機内食販売は国内空港で初めての試みだが、前回以上ににぎわうのでは」と期待を込める。
販売する商品は▽ビーフハンバーグステーキ▽タンドリーチキン風サフランライス添え▽パエリア▽ハンバーグドリアデミグラスソース▽牛肉となす煮込みクリームペンネ添え―の5品。ボリュームがあり、フライトで人気のあるメニューを選んだという。
29日に行われたお披露目会で、山下社長は「機内食販売をきっかけに飛行機利用客以外も空港を訪れるようになった。今後もマーケットを広げ、空港を盛り上げていきたい」と述べた。
内容量は214―250グラムで、価格はそれぞれ1080円(税込み)。電子レンジで200ワット5分解凍後、500ワット3分半ほど温める。自動販売機前にはテーブルと椅子、電子レンジも配置されたスペースがあり、イートインも可能。
2023年(令和5年) 7月2日(日)付紙面より
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今年は店舗を増やして提供します―。県庄内総合支庁地域保健福祉課は、障害者の取り組みを支援する農業と福祉の連携日替わりランチ「ノウフクランチ」を7月25日から始める。本年度は庄内総合支庁1階食堂のほかにエスモール(鶴岡市錦町)などの協力を得て提供店舗を増やす。福祉課の担当者は「昨年、多くの方から好評をいただいた『ノウフクランチ』を継続拡大していきたい。知り合いを誘って食べてもらえれば障害者の方も喜んでくれると思う」と話している。
「ノウフクランチ」は障害者が育てた野菜を食材に「日替わりランチ」に仕上げて「農福連携」を進めていこうと地域保健福祉課が昨年初めて企画した。庄内にある就労継続支援事業所に呼び掛けて施設に通う障害者が作った作物を庁舎1階の食堂(運営・酒田給食センター、酒田市大宮町一丁目)が購入。夏野菜をふんだんに使ったカレーや冷やしうどんにして人気を集めた。
2年目の今年は庁舎の食堂のほかに、民間施設の店舗でランチを提供し「農福連携」の取り組みを広くアピールする。今のところ決まっている日程は7月25日から27日までの3日間、庁舎の食堂で麻婆丼、夏野菜と鶏肉のスタミナ丼、キーマカレー(各日80食、いずれも税込み600円)を日替わりで出す。その後、エスモールとほかの店舗でも行う。現在、担当者間で日程や内容を調整している。
昨年、庁舎の食堂で「ノウフクランチ」を食べた人たちからは「安くておいしい」「使っている野菜がとても新鮮」「また機会があれば食べに来て障害者を応援していきたい」といった声が聞かれた。
福祉課の担当者は「参加した施設からは収益になるし障害者の就労意欲にもつながると評価してくれた。地域全体で障害者の取り組みをバックアップしていくため多くの人に(ノウフクランチを)食べてほしい」と呼び掛けている。参加7施設と農産物は次の通り。
▽さくらが丘(鶴岡市羽黒町川代・キクラゲ)▽障害者支援オフィス「ひので」(同市日出一丁目・ナス)▽すこやかワクワーク(酒田市富士見町一丁目・無農薬の葉野菜スイスチャード)▽障害福祉サービス事業「作業所月山」(鶴岡市中野京田・ニラとタマネギ)▽就労継続支援施設もみの木(同市青龍寺・インゲン、ミニトマト、オクラ)▽障がい福祉サービス事業所たぶの木(酒田市宮野浦三丁目・ジャガイモ)▽feふぁーむ(鶴岡市末広町・雪若丸)
2023年(令和5年) 7月2日(日)付紙面より
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海岸沿いの丘陵に森を育てて良好な海の環境につなげる「魚の森づくり活動」が1日、鶴岡市油戸の「魚の森」で行われた。参加した小学生らがカシワなどの苗木を植えるとともに、海にヒラメの稚魚を放流して森・川・海の連環を学んだ。
油戸漁港南側の丘陵地にある魚の森は、広さ約1・6ヘクタール。県の「魚の森づくり」モデル事業の助成を受け、1997年度から3年かけて整備された。鶴岡市の呼び掛けで、地元の住民や漁業者らがこれまでにクロマツやカシワ、アキグミ、ネムノキなど約3100本の苗木を植樹し、ボランティアで下刈りなどの森づくり活動を続けている。
この日の活動には鶴岡緑の少年団のメンバーや加茂水産高生徒、一般ボランティアを含め約100人が参加。ロープを張って8枚の大漁旗を飾った魚の森で、手分けして下刈りやつる切り、カシワとアキグミの苗40本の植樹に汗を流した。
約1時間の作業に引き続き、魚の森の沢を経て水が流れ込む油戸海岸の砂浜に移動して、同市三瀬にある県栽培漁業センターで生産されたふ化後約60日で体長4センチほどに成長したヒラメの稚魚約1500匹を放流。森と川と海の連環を体験的に学んだ。
今春に鶴岡緑の少年団に入団し、初めて参加した同市内の小学4年生、菅原紅香(べにか)さん(9)は「植えた苗木が元気に育って、自然豊かな森になってほしい」と話していた。魚の森づくり活動は5月28日に同市の堅苔沢地区で行われ、今月4日には鼠ケ関地区でも予定されている。