2023年(令和5年) 7月4日(火)付紙面より
ツイート
地域での小規模な起業を推進している「鶴岡ナリワイプロジェクト」の井東敬子代表(鶴岡市)を講師に迎える「ナリワイ起業講座in酒田」が今月下旬からスタートするのを前に2日、酒田市の希望ホールで説明会が開かれ、関心のある市民27人が参加。井東代表の講話、これまで11期にわたった同講座の修了者による事例発表などを通して「ナリワイ」に理解を深めた。
ナリワイ起業講座は、自分の好きなことで誰かの役に立ち、生きがいと小さな経済循環を生み出すことを目的に井東代表が2015年から開催し、これまでに77人が受講。修了生の多くは実際に起業に至っている。
今回の講座は、酒田市と、同市千石町一丁目の旧消防本署跡地を活用した移住者向け住宅・地域交流拠点形成事業「TOCHiTOプロジェクト」が、遊佐町の大規模太陽光発電施設「庄内・遊佐太陽光発電所」の売電事業益を活用している「庄内自然エネルギー発電基金協議会」の助成を受け、起業とともに移住者・在住者の交流を推進しようと企画した。
参加者を前に、井東代表は「ナリワイ」の定義として「好きなことで他人のささいな困りごとを解決する新たなビジネス。生計の元手を得る『生業』とは異なる」と。そして「受講生は30―40代がメインだが、最近は20代の学生、60代以上も増えている。働き方は一つではない。いろいろな働き方が当たり前の庄内地域になれば」と述べ、宝石リフォーム、シェアキッチンなど修了生の「ナリワイ」を紹介した。
この後、修了生2人が起業に至った動機、現状など講話した。今回の説明会参加者のうち10人ほどを対象に、「TOCHiTO」交流棟で23日(日)に開講する講座は、10月22日(日)まで全6回シリーズ。共に活動する仲間づくり、企画に関する学習を経て自らのビジネスモデルを作り上げる。「最初の一人から対価をもらう時が一番怖い。一回踏み出せば、何とかできるようになる」と井東代表が語るように、最終講では実際の販売に挑戦する。
2023年(令和5年) 7月4日(火)付紙面より
ツイート
遊佐町吹浦の横町地区に伝わる民俗芸能「横町神代神楽」(町指定無形民俗文化財)が1日夜、同地区の諏訪神社神楽殿上演された。平安時代に奥州を支配した安倍貞任(あべのさだとう)を八幡(源)太郎義家が征伐する物語「八幡太郎」など4演目を披露。アルコールも提供する出店が4年ぶりに復活したこともあり、ボルテージが上がった観客から、地元役者らの熱演に大きな声援が送られた。
江戸時代後期には舞われていたとみられる伝統芸能。後継者不足などで1957年に途絶えたが、地元有志によって83年に復活した。近年は保存会(本宮茂樹会長)に児童・生徒も協力。舞人や楽人として活躍している。今年は保育園年長の男の子(5)が伴奏楽器のうち鉦(かね)を担当。最年少で保存会デビューを果たした。
同夜は、日本神話などを題材にした「源の頼光」「阿部の安奈」「八幡太郎」「須佐男命(すさのおのみこと)」を、太鼓と横笛、鉦の音に合わせて独特の抑揚を付けたせりふを交えながら披露。梅雨の晴れ間の爽やかな天候の下、詰め掛けた住民らは勇壮な舞を心行くまで楽しんでいた。
2023年(令和5年) 7月4日(火)付紙面より
ツイート
16歳以下の選手を対象にした「国際バドミントン庄内2023」(一般社団法人国際バドミントンU16推進協議会主催)の男女シングルス決勝が2日、鶴岡市の小真木原総合体育館で行われた。男子は山脇弘奨(こうすけ)選手(15)=愛知県豊川市立金屋中3年=がインドネシア代表のラディティア・バユ・ワルダナ選手(15)を破り優勝。日本人同士の頂上決戦となった女子シングルスは阿波芽衣咲(あなみめいさ)選手(14)=山口県柳井市立柳井中3年=が頂点に立った。
4年ぶり開催の大会にはデンマーク、イングランド、フランス、インドネシア、マレーシア、スコットランド、スペイン、タイ、アメリカ、日本の合わせて10カ国の強豪男女が出場。1日の予選リーグを勝ち進んだ各国期待の新星が決勝トーナメントに顔を連ねた。
男子決勝は最後まで接戦となり、第3ゲームを21―19で振り切った山脇選手が金メダルを獲得した。ライバル同士の対決となった女子決勝は阿波選手がゲームカウント2―1で、追いすがる浅野真央選手(14)=青森県青森山田中3年=を下した。
表彰式では開催地・鶴岡市の皆川治市長が男女の優勝選手に金メダルを首にかけ健闘をたたえた。
2023年(令和5年) 7月4日(火)付紙面より
ツイート
酒田市の「中村ものづくり基金」を活用した「チャレンジものづくり塾」が1日、市総合文化センターで開講した。18期生となる児童・生徒計24人は今年10月末までの間、今回を含め計5回にわたって自らロボットを組み立て、最終講で行われるコンテストに挑む。
基金は、クオーツ式腕時計を開発した市名誉市民の中村恒也氏(2018年12月、95歳で死去)が「子どもたちにものづくりの楽しさを伝えて」と市に寄付した5000万円を原資とし、04年に創設。市教育委員会が実行委員会を組織して翌05年度から毎年、青少年向けの「ものづくり教育」を展開している。
塾では本年度、タブレットで作成したプログラムに沿った通りに動く「プログラミングロボット」、3つのモーターで左右の車輪の回転やアームの動きを制御する「3モーターリモコンロボット」の2コースを用意。いずれも同市の県立産業技術短期大学校庄内校と酒田光陵高校の教員から専門的な指導を受けながら、それぞれ製作する。
初回のこの日は開講式の後、両コースに分かれ製作開始。プログラミングロボットコースでは、産技短大庄内校の津田勇教授(機械加工)が、格子状に並ぶLEDで文字・文様を表示する「マトリックスLED」、リモコン、自動ドアなどの赤外線センサーについて解説した後、参加児童・生徒は真剣な表情で図面を見ながらロボット本体を組み合わせていた。
足達奏琉君(11)=松陵小6年=は「ものづくりは大好き。プログラミングもやったことがある。家族の一員になるようなロボットを作りたい」と目を輝かせた。