2023年(令和5年) 7月8日(土)付紙面より
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8月のお盆には「ぼんぼ」の温泉入浴が楽しめる―。鶴岡市朝日庁舎は6日、昨年11月末で営業を終了した「かたくり温泉ぼんぼ」(同市熊出)について、3カ月間限定で施設を運営してもらう「温泉利活用トライアル事業」の事業者を選定したと発表した。地元朝日地域の住民で新たに設立したNPO法人こみっとAFC(菅原和則理事長)が、8月11日から11月10日まで運営する。ぼんぼの入浴は週5日営業とし、料金は大人450円、子ども(12歳以下)200円。ぼんぼが約9カ月ぶりに暫定的に復活する。
ブームの屋外サウナ
健康増進事業も実施
利用者の減少や燃料費・電気料金の大幅な値上げなどで、以前運営していた地元住民による管理運営組合が昨年11月末で営業を休止。市朝日庁舎は地域資源の有効活用を念頭に本年度、民間を対象にしたトライアル事業を計画した。5月の公募に同法人のみが手を挙げ、今月3日の選定委員会による審査の結果、事業実施者に決まった。朝日地域の振興を目的とした同法人は6月27日にNPO法人として設立された。
ぼんぼの入浴事業は8月11日―11月10日の毎週水曜―日曜の午前10時―午後9時(日曜は午前7時から)に営業、月、火曜は休館とする。以前は有料だった大広間は無料開放とし、遊具や絵本コーナーも設置する。
トライアル事業の条件の一つとなっている地域振興に関する自主事業として、隣接する高齢者活動支援施設「健康の里ふっくら」を利用した健康増進事業、地元の若者グループと連携し最近全国的なブームとなっている屋外サウナなどのイベント開催、事業の本格化に向けたアンケートによるニーズ調査も実施する。
朝日庁舎はトライアル事業実施期間中、朝日地域市営バスの「かたくり荘前」バス停の再開、土曜の試験運行を行い、同地域の利用者の利便性確保につなげる。
トライアル事業に伴う費用は原則事業者負担だが、市が事業者の申請に基づき温泉入浴事業にかかる水道光熱費と燃料費相当額(上限189万円)を補助する。事業実施による収入は事業者の収益となる。
市はトライアル事業の結果を参考に、今後の本格的な再開に向けた事業者公募の条件を検討する。
2023年(令和5年) 7月8日(土)付紙面より
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政府が右往左往している―。マイナンバーカードで公金受取口座に別人が登録されるなど、相次ぐトラブルについにカードを自主返納する動きとなり、酒田、鶴岡両市でも計11人が自主返納した。「個人情報の漏えいが不安」などが理由のようだ。国会は5日、衆院で閉会中審査を開いたが収拾のめどが立たない。政府の不手際に国民の信頼が揺らいでいる。
岸田文雄首相は省庁横断の「マイナンバー情報総点検本部」を設置、8月上旬まで中間報告を示すよう指示した。一方、河野太郎デジタル担当大臣が「マイナカードの名称変更」に言及し、健康保険証との一体化問題もあって与野党の論戦は平行線。マイナカードを巡る混乱は当分続きそうだ。
酒田市では、マイナカードに関してのトラブルは確認されていないが、記者会見した丸山至市長は「行政業務の効率化と市民生活の利便性を高める点でデジタル化は必要とされる仕組みだと思う。ただ、制度運用上の不手際が市民の不安を招いている。政府には不安を払しょくするよう努力してもらいたい」と語った。
「本人確認書類になる」「コンビニで各種証明書が入手できる」など、いいことづくめを前面に出したマイナカードは、住民票を持つ国民一人一人に固有の番号を割り当て、行政の効率化、国民の利便性を高めることを狙った制度だ。ところがカードに他人の情報が登録されたりするミスが相次ぎ、国民の疑心暗鬼を招いて自主返納の動きまで発展した。
トラブルは、登録事務を担う自治体などの態勢が整わないのに、普及を急いだのが原因ではないか。芳しくない登録申請に、政府は最大2万ポイントを付与する策で取得率アップに躍起になった。カード普及を優先するあまり、現場の事務作業過程でのミス防止策がおろそかになった感は否めない。「任意」でありながら、現在の紙の健康保険証を廃止してマイナカードに一本化する、運転免許証と一体化する、公的年金受取口座をひも付けするとなっては強制に近く、不信感につながっている。
自主返納の取り扱いも不思議だ。所定の書類に名前や住所を書いて自治体に提出するだけでカードを返納でき、しかも返納してもポイントの返還は必要ないとされる。これでは何のために制度導入に躍起になったのか、政府の姿勢が問われる。カードがぜひ必要な物であれば、国民の誰もが納得するものでなければならないし、運用当初からつまづきなど許されなかったはずだ。
閉会中審査は衆院に続き、参院でも予定されている。与党内からは問題収拾が長引けば選挙に響くとの声も聞かれるというが、国民の生活に政局を絡ませるような次元の考えなど許されない。不安がなく安心して持っていることができるカードにし、国民の信頼を得ることが最優先課題だ。
2023年(令和5年) 7月8日(土)付紙面より
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スキンケア・ヘアケア事業に取り組む鶴岡市大塚町のオーセンエンジニアリング(佐藤将社長)の自社ブランド「玉川小町」のせっけんが、ANAグループが発行している機内誌「翼の王国」7月号に読者アンケートのプレゼント賞品として掲載された。同社のせっけんは地元で特別栽培されたハーブやニュージーランドのマヌカハニー(特殊なはちみつ)を使用しており、2017年に「おもてなしセレクション」を受賞するなど高い評価を受けている。
翼の王国に掲載されたのは、玉川小町「シルクと白樺の無添加手練り石けん(極)」。アンケートに答えた10人にプレゼントされる。同商品は、秋田県の玉川温泉で岩盤浴に使用される焼山石(溶岩)の粉末や、庄内町狩川のハーブ研究所で育てられた無農薬有機栽培のカミツレ、ラベンダー、ローズマリーなどのエキス、ニュージーランド産で高い抗菌作用を持つマヌカハニー、抗酸化作用を持つ山形の紅花など厳選素材で作られており、刺激が少ないため敏感肌やエイジングへの使用がおすすめという。
翼の王国7月号は特集記事で「庄内・水の都」を取り上げており、ヤマガタデザインが運営するホテル「スイデンテラス」や特別栽培の米づくり、酒田の酒場などが紹介されている。玉川小町のせっけんが掲載されているアンケートのページにQRコードも添えられており、誰でも応募ができる。締め切りは7月末。
ANAグループのデジタル化の一環で、21年から同誌はデジタル端末でダウンロードできるようになった。このため以前は機内の各席に1冊ずつ設置していたが、現在は置いていないという。客室乗務員に依頼すると紙冊子のものを読むことができる。
オーセンエンジニアリングの佐藤社長は「これを機に、石油系の材料を一切使っていない自然由来のせっけんの良さを多くの人に知ってもらいたい」と話している。玉川小町のせっけんは同社で直接販売しているほか、インターネット通販ショップ「玉川小町オーセンネット」で購入できる。1個3300円(税込み)。問い合わせは同社=電0235(28)2728=へ。
2023年(令和5年) 7月8日(土)付紙面より
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鶴岡市のお盆(7月)に出回る超極早生種の茶豆「つるおかぼんちゃ豆」が収穫時期を迎えた。4月下旬に霜害があったものの、その後の好天で甘みとうまみが乗り風味は上々という。8日から同市布目の庄内観光物産館で販売が始まり、鶴岡の“枝豆シーズン”の到来を告げる。
つるおかぼんちゃ豆は、元山形大客員教授の赤澤經也さんが「極早生だだちゃ豆」を親として育種し、2013年3月に「赤澤1号」として品種登録された。7月に食べられる枝豆としては甘み、うまみが高いのが特長。
契約栽培している「ふるさと本舗直売グループ」(5人)は今年4月上旬、前年より50アールほど多い1・5ヘクタールで作付け。このうちグループ代表の石塚寛一さん(48)=同市寺田=が7日に試し採りし、8日の出荷開始に備えた。
石塚さんは「4月下旬の降霜の影響で収量がやや減ったが、その後の降雨と好天で順調に生育が進んだ。甘みとうまみが乗り、おいしい枝豆ができた。この時期に食べられるおいしい枝豆として全国的に認知度が上がっており、大手通販ギフトでも取り扱ってもらっている」と話していた。収穫はお盆の13日前後にピークを迎え、例年並みの20日ごろまで続く。
庄内観光物産館では1袋360グラム入り850円(税込み)で、8日から20日ごろまで販売する予定。営業開始は午前9時。問い合わせは同物産館=電0235(25)5111=へ。