2024年(令和6年) 2月9日(金)付紙面より
ツイート
次世代を担う子どもたちに地域の食文化や食材に関心と興味を持ってもらい、みんなで調理して楽しく食べようという料理教室「mog mog(モグモグ)ふるさとキッチン~お米と郷土食を食べよう!~in鶴岡」が4日、鶴岡市内で開かれた。小学生たちが寒鱈(かんだら)汁や青菜漬を巻いた「弁慶飯」を講師の料理人と一緒に作り、保護者と共に郷土料理のおいしさと料理作りの楽しさを体感した。
小学生と保護者 地元の食文化体感
料理教室は、農林水産省の補助を受け、地域活性化・地方創生事業などを手掛けるNKB(東京)が事業統括、一般社団法人キッズキッチン協会(同)が運営主体となって本年度、開催地の団体と連携して全国9カ所で実施。鶴岡市はユネスコ食文化創造都市に認定されていることなどから、開催地の一つに選ばれた。4日は午前に「キッズドームソライ」で、放課後児童クラブの子どもたちを対象に、午後は同市本町一丁目の「シェアキッチン仲庭」で、庄内ちいき食堂会員の子どもたちを対象にそれぞれ開かれ、合わせて小学(1―6年生)32人と保護者23人が参加した。
地元から「お米の先生」に井上農場代表取締役の井上薫さん、「調理の先生」に庄内ざっこ料理人の齋藤翔太さんを迎え、市内で食育に取り組む小野愛美さんが進行役を務めた。井上さんは「豊かな水に恵まれた庄内平野の水田は、日本で一番お米作りに適した場所。みんなから喜んでもらえるようにお米を育てているので、毎日たくさん食べて」と呼び掛けた。
井上農場から提供された「雪若丸」を使った弁慶飯作りでは、子どもたちが家族の分も含めて思い思いの形や大きさでおにぎりを握り、みそを付けて青菜漬の葉を巻き、ホットプレートで焼き目を付けた。香ばしい香りに子どもたちは「すっごくおいしそう」とわくわくしていた。
約5キロの雄のマダラを使った寒鱈汁作りは、初めに齋藤さんが解体を実演しながら「タラは捨てるところがほとんどない。白子のフワフワ、胃袋のコリコリなどいろんな食感を楽しんで」と話し、子どもたちは身や白子を包丁とはさみで切り分ける調理も体験。大鍋で煮込んだ熱々の寒鱈汁を、弁慶飯、土鍋で炊き上げたご飯と一緒に味わった。
家でも料理手伝う おいしい笑顔いっぱい
朝暘六小6年の荘司泉さん(12)は「土鍋で炊いたご飯が、甘みがあっておいしかった。家でもできそう」、朝暘三小3年の道祖瑛怜菜(さやえれな)さん(9)は「寒鱈汁の身とスープがおいしかった。おうちでも料理のお手伝いをしたいと思った」、同小1年の田村恵紘(えいと)君(7)は「白子は最初、脳みそみたいで気持ち悪いと思ったけど、一番おいしかった。大好きになった」と話し、みんな笑顔いっぱい。最後に「ありがとうございました。ごちそうさまでした」と元気に感謝のあいさつをした。