2024年(令和6年) 2月12日(月)付紙面より
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国の文化審議会が先月19日に「庄内の笹巻製造技術」を登録無形民俗文化財とするよう文部科学大臣に答申したことを受け、鶴岡市と鶴岡食文化創造都市推進協議会(会長・皆川治市長)は10日、同市末広町のマリカ東館「FOODEVER」で記念イベントを開催した。笹巻づくりのワークショップやデモンストレーションが行われ、参加した市民や観光客がさまざまな形の笹巻や鶴岡の食文化について理解を深めた。
初めに開会セレモニーが行われ、皆川市長が「今年は鶴岡市がユネスコの食文化創造都市に認定されて10年目の節目。記念すべき年に笹巻の製造技術が答申通り認定されれば、技術を守り伝えてきた人たちにとって大きな誇りとなる。市民や観光客、行政などが一体となり大事な文化財を守っていきたい」とあいさつした。
笹巻づくりを体験するワークショップは「三角巻き」と「こぶし巻き」の2部門で行われ、午前と午後合わせて市民や飛び入りの観光客など計60人が参加した。鶴岡市の羽黒、朝日、温海など各地域で笹巻づくりを続けているスペシャリストの女性5人が指導役となり、餅米を2枚の笹の葉で包みイグサで結ぶ一連の工程を参加者に教えた。
同市内在住で子ども2人と三角巻きづくりに参加した30代女性は「笹の葉で包むのは割と簡単だったが、イグサで結ぶのはこつがあって難しい。子どもたちも笹巻が大好きなので家に持ち帰り一緒に食べたい」と話していた。
また、会場では20枚以上の笹の葉を使って巻き上げる「たけのこ巻き」づくりのデモンストレーションが行われた。たけのこ巻きは現在、作る人が少なくなっており実際に目で見られる機会は少ないという。このほか来場者に笹巻が振る舞われ、鶴岡市の朝日、温海など各地区で作られている笹巻の販売も行われた。
開幕セレモニーの席上で鶴岡市は特別展「和食~日本の自然、人々の知恵~」の開催を発表した。同特別展は昨年10月から国立科学博物館(東京都)で開催しており、今月25日の閉幕後に全国巡回展がスタートする。鶴岡市がトップバッターを務め、ユネスコ食文化創造都市認定10周年記念事業として位置付ける。
会場は鶴岡アートフォーラムで、会期は4月20日(土)から6月16日(日)まで。休館日は毎週月曜日。いずれも月曜日の4月29日と5月6日は開館し、5月7日は休館する。観覧料は一般700円、高校生・大学生420円、中学生以下無料。会期中の週末に笹巻やひな菓子など鶴岡の食文化を学ぶ体験イベントを実施する予定。