2024年(令和6年) 2月14日(水)付紙面より
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がん予防と知識の普及啓発を図る「第4回がんメタボロミクスセミナー」が10日、鶴岡市覚岸寺の市先端研究産業支援センターで開かれた。日本対がん協会の垣添忠生会長(82)が講師となり「がんとの向き合い方」と題して講演した。
庄内地域産業振興センター主催、国立がん研究センター、慶應義塾大先端生命科学研究所からだ館など共催。市民など約160人が聴講した。
垣添会長は大阪府出身。東京大医学部卒業後、同大附属病院で研修し都立豊島病院などでの勤務を経て、1975年から国立がんセンター病院に勤務。手術部長、副院長などを歴任し1992年に院長、2002年に総長就任。07年に同センターを退職し、名誉総長と現職に就いた。妻をがんで亡くし、自身も闘病経験を持つ。がんに関わる著書多数。
垣添会長はがんについて「遺伝子の異常により発生し、進展する細胞の病気。発生にはたばこや食事など生活習慣や環境が関わる。発生、進展は長い時間を要するため慢性の病気と言える」と定義し、「がんにならないための1次予防は、たばこを吸わない、バランスの取れた食事、塩辛い食事を控えめに、適度な運動などが挙げられる。また、早期発見、治療のため検診がある。『健康に自信がある』人もがんにはかかるので、『必要になったら医療機関に行く』では遅すぎる」と述べた。
また、妻をみとった際の経験を基に「自宅での最期を希望し満足げな様子で旅立った妻と同じく、自分も死ぬ時は自宅が良い。ただし高齢単独所帯者が自宅で死ぬためにはかなり周到な準備が必要。動けなくなった時のため、自宅の玄関を遠隔操作で施錠、開錠できないか検討しており、遺品整理会社との契約も進めている」と語った。