2024年(令和6年) 2月15日(木)付紙面より
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鶴岡市立加茂水族館・魚匠ダイニング沖海月(須田剛史料理長)は北前航路で加茂港に運ばれた食材をテーマにした「北前御膳」の提供を13日から始めた。
「北前御膳」は2019年に鶴岡市の加茂が北前船の寄港地(船主集落)として文化庁の「日本遺産」に追加認定されたことを記念し須田料理長(48)が歴史的な背景を料理で伝えようと考えた。今回は鹿児島から運ばれた塩クジラや北海道のニシンを食材の中心にした。内容はクジラ汁、ニシンのかす漬けとぬか漬け、鱧(はも)の天ぷら、ベニズワイガニの茶わん蒸し、酒田名物の「むきそば」、かす漬けにしたフグの卵巣とイカのあえ物など10品。須田料理長は「かつて北前航路で塩クジラが加茂港に荷揚げされた記録が残されている。今年は『保存食』という先人の巧みな知恵をフル活用した内容にした。料理を通して歴史観を感じてもらえればうれしい」と話した。
北前御膳は「ニホンイサン」の語呂合わせで2130円(税込み)。しばらくの間提供しているが、クジラ汁は3月末まで。4月から春の食材を使った内容となる。問い合わせは沖海月=電0235(64)8356=へ。