2024年(令和6年) 2月18日(日)付紙面より
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子どもたちの自由研究を募って表彰する「全国小・中学生作品コンクール」(子どもの文化・教育研究所主催)で、朝暘三小6年の上野龍明君(11)と佐藤章君(12)の2人が、優秀作品に贈られる子どもの文化・教育研究所理事長賞、中央出版社長賞をそれぞれ受賞した。同じクラスで近所同士の2人は賞状を手に、「小学校最後のいい思い出になった」と喜び合った。
2人はともに社会科部門で受賞した。上野君はカラスと人間の共存をテーマに研究し、ふん害や農畜産物への食害など人間から悪者扱いされるカラスについて、県内全35市町村にアンケート調査したり、専門家からカラスの生態を教えてもらったりして、共存に向けたさまざまな可能性を考察。害鳥として駆除されるカラスについて、処分するだけでなく、その命を大切にすることをも考えた上での食肉としての活用の提案や、カラスに親しみを持ってもらうためのキャラクターの考案も研究に盛り込んだ。受賞に「共存は難しいのかもしれないけど、多くの人からカラスのことを知ってもらえたので良かった」と話した。
佐藤君は幼い頃に食べて、おいしさに感動を覚えた「エゴ」について、4年生から自由研究を継続。海藻のエゴ草で作るプルプルとした食感のエゴは、庄内地方ではアサツキを使った酢みそあえで知られる。今回はエゴの食文化の歴史を探ろうと、北海道から西日本にかけての日本海側を中心にした15市町村から、郷土料理としてのエゴの食習慣を尋ねるなどした。その結果、九州地方の「おきゅうと」と呼ばれる郷土料理が、北前船で各地に伝わったと考察。昨秋には海の学習に訪れた内陸地方の小学生を前に、研究内容の発表も行った。受賞に「うれしかった。もっともっとエゴのおいしさと魅力を伝えていきたい」と話した。
コンクールの結果は昨年12月に発表された。2人の自由研究は、夏の第52回鶴岡市小中学校児童生徒社会科研究物展でも入賞している。