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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 6月29日(土)付紙面より

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アマゾンワールド紹介 致道博物館山口吉彦コレクション展 「探検の地図」手に楽しむ展示会 8月18日まで

 鶴岡市在住で文化人類学研究者の山口吉彦さん(82)が、南米・アマゾンの原住民らと交流しながら収集した資料で、アマゾンの自然や文化を紹介する企画展「山口吉彦コレクション 探検!アマゾンワールド」が、同市の致道博物館で開かれている。

 半世紀前の1970年代から長期間にわたって山口さんが現地で収集した約2万点に及ぶ資料の中から、爬虫類(はちゅうるい)や鳥類の剥製、昆虫の標本、先住民の儀礼に使われた仮面や羽根飾りなどの装束、狩猟道具や独特なデザインが施された生活用具など現在では入手できない貴重な資料を展示。8月18日(日)までの約2カ月間の会期中、展示替えを含め1000点近くが公開される予定。

 致道博物館では、75(昭和50)年の1回目以来、前回の2020年に次いで5回目の山口コレクション展。今回は「探検」を切り口に、山口さんの長男で一般社団法人アマゾン資料館(鶴岡市)代表理事の山口考彦(なすひこ)さん(48)を中心に市民ワークショップを行うなどして展示・紹介内容を練り上げた。A4判の「探検の地図」を手に、アマゾンの動物たちの生態や先住民の文化などに関する質問に答えてカードをもらうゲーム的な要素を取り入れ、子どもたちも楽しめる展示会となっている。

 熱帯雨林を流れるアマゾン川を模したコーナーには世界最大の淡水魚ピラルクーの剥製などがあり、鮮やかなオレンジ色の巨大なくちばしを持つ鳥のオオハシや世界最小の鳥のハチドリの剥製、青く輝く美しい羽を持つモルフォチョウやヘラクレスオオカブトムシなどの標本とともに、「神秘の森アマゾン」を疑似的に体験できる。

 考彦さんは「ゲーム性を持たせた探検をキーワードに子どもから大人まで楽しんでもらえる内容。先住民の生活や精神性、知恵を含めアマゾンの多様性に触れて学び、現代の共生社会を考えるきっかけにしてほしい」と話した。


探検談やアマゾン食体験 会期中に多彩なイベント

 会期中(8月18日まで)には、考彦さんと展示デザインの大屋満さんによるギャラリートーク(7月7日)、吉彦さんの探検談(同14日)、アマゾン食体験・キャッサバの加工と試食(同27日)、壊れた素材を芸術作品に蘇生するワークショップ(同28日)、アマゾン映像作家・岡村淳さんによるスペシャルトーク(8月11日)などが予定されている。

探検をキーワードにした致道博物館の「アマゾンワールド」の展示内容を紹介する山口考彦さん
探検をキーワードにした致道博物館の「アマゾンワールド」の展示内容を紹介する山口考彦さん


2024年(令和6年) 6月29日(土)付紙面より

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大事な文化を守るということ

 鶴岡市朝日地域の旧大網小学校田麦俣分校を守る活動をしている、同市の南正一さんの本紙への寄稿「学び舎の灯りを消さないで」を読んだ。かつて地域の人々の心のよりどころだった田麦俣分校の傷みも進んでいる。南さんの「廃校校舎は手入れをし、活用すればいつまでも生き続けられます」との言葉は、そのまま文化を守ることに通じる。

 「守る」あるいは「護る」には、「大切にする、堅く保護する、規則を守る」などの意味合いがある。庄内には歴史、産業、教育など人の営みが関わることで守られてきた文化が多い。「守る」ということと、人が生きるということは、切り離せない関係にあるようだと、最近の本紙の記事を見ながら感じる。

     ◇       ◇

 庄内の美術団体「白甕社」が今年創立100年、酒田市が生んだ写真家・土門拳の偉業を子どもたちに分かりやすく、そして後世に伝えるための伝記漫画「鬼の眼 土門拳」が製作された。ユネスコの「食文化創造都市」に認定されて10年になる鶴岡市では「生きた文化財」と言われる在来作物を後世に伝えるための方策を生産者が語り合った。どれもが文化である。

 人は文化に囲まれて生きている。今ある文化は、過去を生きた人々の多彩な活動と思考によって生み出された。先人から託された文化・遺産を守ることは、将来世代に伝えていかねばならない今の世代の務め。文化や遺産には国宝や重要文化財もある。建造物、絵画、工芸品、古文書など有形の文化財と違って、民俗芸能などの無形民俗文化財は人がいなければ成り立たない。少子高齢化で、地域の伝統の保存環境も厳しくなっていることが心配される。

 鶴岡市の「いこいの村公園」のチューリップ畑は10万球のチューリップが咲き誇る花の名所。管理していた保養・研修施設の閉鎖で手入れが行き届かなくなると、市民有志が「チューリップを咲かせよう」と守り続けている。有志の会代表の中村恵二さんは著書『小説 四恩山のチューリップ』で「戦前からチューリップの栽培に心血を注いだ先人の歴史は守らねばならない」と語っている。

     ◇       ◇

 文化は古い物を大事にして守る事と同時に、文化は進化しながら受け継がれるものとの見方もある。庄内沖で進む洋上風力発電の事業化。巨大な風車が建つことを不安視する意見もある。だが、これまで見えなかった物を受け入れることも、庄内の人々の将来の生活を守ることにつながるのではないだろうか。

 庄内の文芸愛好家による「らくがき倶楽部」が創設60年を迎えた。一見、活動は地味と思われそうだが、しかし庄内の文芸活動の中で「いぶし銀」のような、重厚な存在感を示し、文芸活動を支えてきた。文化は人の力あって守られていることを、身の回りを見回して考えてみたい。

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2024年(令和6年) 6月29日(土)付紙面より

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夏の高校野球山形大会 甲子園目指し熱戦へ 7月12日開幕 庄内10校出場 選手宣誓は酒田東・尾形主将

 第106回全国高校野球選手権山形大会の組み合わせ抽選会が27日、山形市の山形テルサで行われ、庄内勢10校を含む出場41チーム(4校連合、2校連合が各1チーム)の対戦カードが決まった。夏の甲子園出場を懸けた戦いは7月12日にヤマリョースタジアム山形(県野球場)で開幕し、決勝は同球場で26日に予定されている。12日の開会式の選手宣誓は、酒田東の尾形瑛智主将(3年)が務める。

 抽選会には各出場校の主将と責任教師が出席。今春の県大会で優勝した鶴岡東が第1シード、同大会4強入りの酒田南が第4シード、羽黒が第5シードなど計8校がシード校となり、2回戦から登場する。

 庄内勢のうち鶴岡東は2回戦で山形中央―南陽の勝者と対戦。酒田南は酒田東―米沢中央の勝者と、羽黒は新庄北―北村山の勝者とそれぞれ2回戦で対戦する。1回戦で致道館は左沢、酒田光陵は創学館、鶴岡高専は山形商業とそれぞれ対戦。2回戦で庄内勢対決の酒田西―鶴岡中央が組まれ、鶴岡工業は2回戦で米沢興譲館と初戦を迎える。1、2回戦は来月12―15日に鶴岡ドリームスタジアムなど4球場で行われる。

 昨秋と今春の県大会王者で、第1シード鶴岡東の小林優星主将(3年)は「昨年の夏は悔しい負け方をした。今年の夏は絶対優勝します」と闘志を燃やした。抽選で選手宣誓を務めることが決まった酒田東の尾形主将は「県の代表として元気な選手宣誓ができれば、と思っている。最高の夏にしたい」と話した。

抽選で選手宣誓に決まった酒田東の尾形主将=27日、山形市・山形テルサ
抽選で選手宣誓に決まった酒田東の尾形主将=27日、山形市・山形テルサ


2024年(令和6年) 6月29日(土)付紙面より

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保水力ある森づくり 羽黒小5年生ブナの苗木植える

 山―川―海の環境を守ろうと鶴岡市の羽黒小学校(八渡宗一郎校長)の5年生が26日、学校から東側に約15キロ離れた羽黒地域の田代谷地の山中にブナの苗木31本を植えた。

 環境教育の一つとして同校と水土里ネット笹川(笹川土地改良区・丸山成人理事長)が2000年から毎年続けている。今年で25年目。14年には環境保全活動が高く評価され、環境省の「環境大臣表彰」を受賞している。

 この日は5年生の男女31人がバスで現地に到着。あいにくの雨模様となったが、スコップで土を掘り起こし高さ40センチ前後に育った苗木に支柱を立てて植えた。最初から携わっている加茂水族館の村上龍男名誉館長や庄内森林管理署の職員も参加し、子どもたちの活動を支えた。

 丸山理事長(58)は「保水力のある森づくりを進めようと活動を始めてから1000本を超す苗木を植えてきた。大人になっても自分が植えたブナに関心を持ってもらえればうれしい」と話した。

ブナの苗木を植える羽黒小の子どもたち
ブナの苗木を植える羽黒小の子どもたち



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