2024年(令和6年) 7月28日(日)付紙面より
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SDGs(国連の持続可能な開発目標)にまつわる絵本を通して未来を考える講座が20日、鶴岡市立図書館で開かれた。
今年で結成20周年を迎えた鶴岡市の市民団体「子どもの読書を支える会」(戸村雅子代表)が主催する「子どもの本・学びの会」の本年度第2講座。元小学校校長で、読書案内人として活躍している本間俊美さんが「絵本からSDGsを~小さな問いから未来をのぞこう~」をテーマに語った。
SDGsとは環境問題や差別、貧困、人権問題などの17の課題に取り組む開発目標。会場には市立図書館の協力でゴールごとに関連する書籍を表示して展示したほか、支える会の担当者がSDGsに関するクイズを出題。加盟している国は世界の90%以上であることや日本の子どもの9人に1人がその日の食事に困っていること、鶴岡市でSDGsを推進している企業や団体は120余りに上ることなどを解説した。
講演で本間さんは、レオ=レオニの有名な絵本『スイミー』を取り上げ、「この本は小さくても力を合わせれば生きていけることがテーマだと思っていたが、実はSDGsがあふれる壮大な本だった」とし、仲間と自分が違うことに気づくこと(ジェンダー平等の実現)や仲間を探した時に出会った海の生き物の多様性(海の豊かさを守ろう)、自分がどう動けばいいかを考えてみんなと一緒に頑張る(パートナーシップで目標を達成)などが盛り込まれていることを紹介。「みんなに役割があり生きていることを地球規模で考えようと作者は伝えたかったのでは。これからも絵本からSDGsを読み解いていきたい」と話した。