2024年(令和6年) 9月12日(木)付紙面より
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68回目を迎えた酒田市民芸術祭の開幕式典・公演が8日、同市の希望ホールで開かれた。式典に続いて行われた公演では、「伝えよう酒田の風景―四季の移ろいの中で」をテーマに、市芸術文化協会(村上幸太郎会長)に加盟する洋楽・邦楽・合唱など13の個人・団体が華やかなステージを繰り広げた。
市民芸術祭は1957年、市と市芸文協が始めたもので市町村単位の芸術祭としては県内で最も長い歴史を誇る。本年度は来年1月中旬まで約4カ月にわたり、絵画や写真、書、華道などの展示、声楽、器楽、舞踊といったステージ発表、茶会、かるた大会など計42事業が予定されている。
開幕式典で、安川智之副市長が「長い歴史を紡いできた芸術祭は、幅広い世代の発表が見られる貴重な機会となっている。今日を皮切りに、広く市民に芸術と文化を楽しんでもらえたら。各所で活躍される皆さまの芸術に期待している」とあいさつ。村上会長は「今年はこれまでと趣向を変えた公演を開催した。テーマに沿った参加者一人一人の心に響いた風景、心象、想像を表現していただき、見る人に多様な四季を楽しんでもらえたら。広く酒田の風景を語り合い、見つめ合う機会になれば」と述べた。
公演は、阿蘇孝子さん(酒田詩の朗読会主宰)による同市出身の詩人・故吉野弘さんの詩「雪の拳」の朗読で幕開け。酒田フィルハーモニー管弦楽団、日本舞踊千川流、備前音楽スタジオなどの会員らが日頃の練習成果を館内に響かせた。プログラムを区切らず、スクリーンに映像や画像を映し演者が入れ代わり立ち代わり登壇する四季の移ろいを表現したステージ演出に、客席からは公演ごとに大きな拍手が送られていた。
式典の席上、各分野で芸術文化の振興に貢献した功労者4人を表彰。また、同ホールのホワイエをフルに活用し酒田市華道会、全酒田写真連盟、庄内傘福研究会などの会員らの作品展示、酒田三曲協会、八千代会によるミニコンサート、体験会なども行われ、市民らが芸術に親しんだ。
功労者は次の通り。(敬称略)
池田瑞穂(69)=石の会、伊藤亮一(81)=庄内岳風会、小野寺勇(85)=日本九重流酒田詩吟同好会、富樫久作(62)=酒田吹奏楽団