2024年(令和6年) 9月12日(木)付紙面より
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地元で就職することの意義について考える「MIRAINIアカデミー」が6日夜、酒田市の酒田駅前交流拠点施設ミライニで開かれ、市地域おこし協力隊員を歴任し現在、合同会社「COCOSATO」の代表を務める阿部彩人さん(44)=同市漆曽根出身=が自身の経験などを語った。
ミライニが主催。庄内地方で多方面にわたり活躍している人から話を聞き、若者から地元進学・就職を考えるきっかけにしてもらおうと2021年度から企画、本年度から「MIRAINIアカデミー」と名称を一新した。
この日は小学生から70代まで約50人が参加。阿部さんは「好きを仕事にしながら大災害に被災した地域と生きる道」と題し、大学進学で上京した当時を振り返り「子どもの頃は早く東京に出たかったが、東京では庄内の魅力に気付き、東京で就職後も庄内の魅力発信活動などに取り組んだ」と自身の考えが変化した心情を語った。
「地域づくりや地域おこしに正解はなく、地元住民と一緒につくっていくものだと思う」と、2018年から古里にUターンし、八幡地域、大沢地区の地域おこし協力隊、21年から同地区集落支援員として行った活動や内容について紹介。7月末に大雨被害に遭った経験などにも触れ、大沢地区のシンボルとなった「大沢『大』文字」に関する動画紹介では、被災前の大沢地区の風景が流れ「もう同じ映像を撮ることはできないけど、また住民が集まってにぎわうことができるようになると信じている」と話した。
“好き”を仕事にし、人生を“面白く”していくこととして、「『できる(かもしれない)』と信じてやってみることで、世界は無限大に広がり、新たな人との出会いも生まれる。挑戦の結果、達成できなかったとしても、人生において無駄な経験は一つもない。何でも挑戦してみることが大事」と。「自分がこの世にいなくなっても、自分たちの暮らしや活動は100年後、1000年後の地域に残っていく。誰かの“好き”が残る地域は良い地域だと思う」と呼び掛けた。