2024年(令和6年) 11月2日(土)付紙面より
ツイート
「鳥海山・飛島ジオパーク」の再認定に向けた現地調査が1日までの3日間、酒田、遊佐両市町はじめ鳥海山を取り巻く山形、秋田両県の4市町で行われた。日本ジオパーク委員会(JGC)の調査員2人がジオパークの見どころ「ジオサイト」を視察したほか、関係者からの聞き取り調査も実施。今回の現地調査を踏まえ、再認定の可否は来年1月に発表される予定。
酒田と遊佐、秋田県にかほ、由利本荘の4市町による鳥海山・飛島ジオパークは2016年秋、JGCの認定を受けた。同ジオパーク推進協議会(事務局・にかほ市)と4市町は「日本海と大地をめぐる水と命の循環」をテーマに、水と命の循環を観察することができる貴重な自然環境を形成する、この地域の豊かな自然・文化を次世代につなぐことを目的に、これまでさまざまな活動を展開してきた。
認定を継続するには4年ごとにJGCによる再審査を受ける必要がある。今回は2回目の再認定に向けた調査で、訪れたのはJGC委員長の中田節也さん(東京大学名誉教授)、糸魚川ジオパーク協議会の香取拓馬さん(フォッサマグナミュージアム学芸員)の2人。初日はいずれもにかほ市の蚶満寺や九十九島など視察した。
2日目の31日に遊佐町入りし、午前は海底湧水が目を引く釜磯海岸を調査。昼食を挟み午後からは鳥海山・飛島ジオパークガイドの会認定ガイドの伊藤みふゆさん(同町)のアテンドで、ジオサイトとなっている牛渡川と丸池様を見て回った。
伊藤さんは牛渡川について「流れる水は全て鳥海山の湧水。全長約4キロで、水温は年間を通し11―12度と安定している。バイカモの白い花を見ることができるほか、貴重な淡水魚・カジカも生息する」と。丸池様に関して「正式名は『丸池神社』で、池そのものがご神体。以前は入り口に鳥居もあった」などと解説。2人は「ものすごく水がきれいですね」と話し、案内に聴き入っていた。
最終日の1日は酒田市の取り組みを聞き取り調査したほか、今年7月の記録的大雨で甚大な被害に遭った同市大沢地区を視察。4市町の首長らと意見交換した。