2024年(令和6年) 11月6日(水)付紙面より
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最上川水系水質汚濁対策連絡協議会(会長・林雄一郎国土交通省東北地方整備局河川部長)の油流出事故を想定した訓練が10月31日、庄内町の清川河川公園で行われ、関係者が有事の際の対応を確認した。
同協議会は水質汚濁対策に対する関係機関の連絡調整などを目的に1972年3月に設立。国、県、県警、最上川水系の32市町村、東北電力など計約40団体で組織している。訓練は毎年この時期に県内各地の持ち回りで実施している。
この日は関係機関から計103人が参加。NPO法人「自然エネルギー・環境協会」(本部・岡山県)の担当者が「油流出事故は側溝、水路、河川など状況によって対応が変わってくる」などと指導し、小型水槽を使って水中での油の拡散状況などを説明。その後、参加者は状況別に「発生時の初期対応」「側溝での油回収」「水路」「河川」など、手順を確認しながら訓練を繰り広げた。
東北地方整備局のまとめによると、最上川水系の水質汚濁事故発生件数は、東北12水系の中で最も多い。2021年は通報数124件(うち水路や河川に流出が確認されたのは59件)22年は141件(同36件)、23年は85件(同27件)。今年は9月末現在で73件の通報があるという。原因物質はほとんどが油類で、ホームタンクからの小分け中に流出した操作ミスや設備の老朽化による油漏れが多くを占めており、今後灯油の利用が増えることから注意を呼び掛けている。