2024年(令和6年) 11月24日(日)付紙面より
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田園調布学園(東京都世田谷区、清水豊校長)の中等部2年生236人が、22日まで3泊4日の日程で酒田市を訪れ、秋野菜の収穫などの農業体験や鳥海山・飛島ジオパークの自然体験を通して見識を深めた。
首都圏の若者に地方の農業や自然、文化への理解関心を深めてもらうとともに、交流拡大、農産物のPRを図ることを目的に、地元農業者などで組織する「酒田ファームステイ実行委員会」(土田治夫実行委員長)の主催。本年度から暑い季節を避けた秋に、また生徒の人数が多いことなどから、農業体験と自然体験に分かれて実施した。
2日目の20日、農業体験クラスの生徒たちは3カ所に分かれて収穫体験。このうち同市浜中で大根や米、イチゴなどの栽培を行っているHi―Farm(ハイファーム、高橋身依代表)の約30アールの大根畑では、生徒39人が漬物用品種「干し理想」の収穫体験を行った。
高橋代表はじめスタッフの指導で生徒たちは長さ50―60センチの大根を手で掘り出し、わらを使って2本を一組にする結束作業に挑戦。途中尻もちをついたり虫に驚いたりしながらも笑顔で土に触れ、広々とした畑に楽しげな笑い声が響いていた。
1時間半ほどの作業で2トントラック2台分ほどの大根を収穫。体験した古川愛莉(あいり)さん(14)は「山形県に来るのも農業体験も初めて。見渡す限りの畑の広さに驚いた。大根が割れないように抜く力加減や中腰姿勢が大変で、改めて農業の大変さを身をもって知った。友達と大きさ比べをしたり、変わった形の大根を見つけるのが楽しかった」と話した。
数年前から同校のファームステイを受け入れているという高橋代表は「反応が新鮮で、楽しそうに作業しているのが伝わってきてうれしい。体験をきっかけに農業に興味を持ってくれる生徒がいたら」と話した。