2024年(令和6年) 12月15日(日)付紙面より
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庄内を拠点とするまちづくり会社SHONAI(鶴岡市播磨)グループのNEWGREEN(東京都小金井市)は12日、水田に浮かべる自動抑草ロボット「アイガモロボ」の新型機を来年3月に販売開始すると発表した。希望小売価格(税込み)は現行機の半分となる27万5000円ながら、航行能力や操作性などの機能が大幅に向上し軽量化にも成功した。
アイガモロボの現行機は2023年に井関農機から発売され、全国の有機農業の現場で使用されている。水車型の水かき板を回転しながら水田を遊泳し、水を濁らせることで雑草が光合成しにくい環境をつくる。今年9月の第11回ロボット大賞では農林水産大臣賞を受賞するなど高評価を得ている。
対応面積は30~70アールで平坦な水田での使用を想定している現行機に対し、新採用のブラシ型パドルを搭載した新型機は航行能力が向上して対応面積が10アール~1・5ヘクタールに拡大。地形対応力もアップし、多少の凹凸にも耐えられる。ブラシ型パドルはアンカー(いかり)の役割も果たし、強風に強いのが特長だ。
また、現行機は航行ルート設定など操作にスマートフォンが必要だが、新型機は学習機能のあるシステムにより自動であぜを認識。水田内を網目状にくまなく稼働するためルート設定が必要ない。重量も現行機の約16キロから約6キロと64%の軽量化を実現した。
アイガモロボを導入することで、従来の抑草効果に加えてジャンボタニシの食害抑制やメタンガス発生量低減などに効果があるとして、現在メカニズムの解明が進められている。
新型機は現行機と同様、井関農機で販売するほか、全国農業協同組合連合会(JA全農)でも取り扱う。複数台導入の際、初期投資の金額を抑えるためリース利用の調整も進められている。SHONAI代表取締役でNEWGREEN代表取締役CEOも務める山中大介氏は「アイガモロボの新型機は機能性が大幅に向上した一方で低価格化を実現した。有機農業に取り組む農業者に高い評価を頂いており、海外展開も進んでいる」と話している。