2024年(令和6年) 12月15日(日)付紙面より
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庄内で唯一のファミリーホーム事業を行っている一般社団法人野のゆり(須藤九二子代表理事、鶴岡市斎藤川原)がこのほど公益財団法人社会貢献支援財団(安倍昭恵会長)の「第62回社会貢献者表彰」を受賞し13日、代表理事の須藤さんと理事の平形洋司さんが鶴岡市を表敬訪問し、受賞を報告した。
養父母に育てられた須藤さんは、結婚して実子を育てた時に、養父母の深い愛情に気付き、子育てに血のつながりは関係ないと感じたという。そして、「子どもの養育には家庭的な環境が大事」であると考え、鶴岡市役所で県の養育里親募集のパンフレットを見て、2002年に里親登録し、09年には1年間の研修を経て専門里親に。13年にファミリーホームに移行し、これまで14人を送り出し、現在も過酷な家庭環境に育った子どもたち5人を養育している。また、最初に里親になった子には軽度の発達障がいがあり、就労を支えるための障がい者グループホームを21年に立ち上げ、子どもたちが自立した後も見守っている。来春には3棟目のグループホームがオープンするという。
懇談で須藤さんは「行ってらっしゃい、お帰りなさいを同じ人が言って送り出し、迎える家庭の温かさをつくりたかった。受賞は本当にびっくりしたが、事業に賛成してくれた主人や専門知識や経験のあるスタッフなど周囲の人に支えられて頂いた賞で、今後の励みになった」と喜びを語った。皆川治市長は「須藤さんは尊いお仕事をされていて、まさに勇気の人」とたたえながら、「このような取り組みをわれわれも学び、生きた福祉で共生社会を目指したい。子どもたちが良いクリスマス、良い年末年始を迎えられることを願っている」と話していた。
社会貢献支援財団は1971年に設立され、日本財団の助成を受けて社会の各分野で顕著な功績を挙げながら、社会的に報われる機会の少ない人を対象に表彰を行っている。これまでに1万2768組を表彰。今年は7月の第61回で30組が受賞。第62回の今回も30組が受賞し、今月2日に帝国ホテル東京で表彰式が行われた。