2024年(令和6年) 12月18日(水)付紙面より
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日本政策金融公庫が主催する「高校生ビジネスプラン・グランプリ」で鶴岡高専の女子学生5人が提案した「流せるオムツ」が全国ベスト100に選ばれた。地域で廃棄される「おから」と水溶性不織布を素材に吸水シートや防水機能を合わせ持つオムツを開発し、審査員から高い評価を受けた。
5人はいずれも化学生物コースの3年生で▽佐藤凜采(りこ)さん(鶴岡二中出)▽原百花さん(山形十中出)▽有路清香さん(最上中出)▽五十嵐瑠依さん(鶴岡四中出)▽木暮綾音さん(群馬県富士見中出)。今年5月からプラン内容について話し合ってきた。
流せるオムツは「子どもを連れて外出した時、公共のトイレにオムツのゴミ箱がなくて処理が大変」という母親(30代)の声を聞いてトイレに流せるシートを生み出した。審査では「地域資源の再利用とごみの削減、子育て世代の課題解決につながる優れた内容」として応募総数5151件(536校)の中からベスト100に入った。
チームリーダーの佐藤さんは「子育て世代の困り事を解消すると同時に、廃棄物の削減に向けて『おから』を何とか再利用できないか、みんなで考え工夫した成果。正直、うれしい」と笑顔を見せた。
日本政策金融公庫酒田支店の根岸毅支店長が16日、同校を訪れ、女子学生5人にベスト100のメダルと表彰状を手渡した。根岸支店長は「おめでとう。地域の課題解決に貢献するとても素晴らしいプラン内容。流せるオムツは実用化されても不思議ではない」と祝福した。
「ビジネスプラン・グランプリ」は全国の高校生を対象に豊かな創造力を養おうと行われている。今年で12回目。5000件を超える今回の応募総数は過去最多となった。鶴岡高専がベスト100に入ったのは初めて。原さんは「私たちの問題解決に取り組む姿勢が評価された形で良かったと思う」、五十嵐さんは「廃棄物を減らし環境にも役立てたかった」と話した。