2024年(令和6年) 12月20日(金)付紙面より
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山形銀行と日本政策金融公庫(日本公庫)による協調融資を受けたフレンチレストラン「Le9(ル・ヌフ)」が19日、鶴岡市面野山にオープンした。融資を受けたのは、今年8月まで横浜市でレストランを開いていた株式会社「ビストロベベ」代表で、シェフの茂田剛さん(47)。庄内の食材をふんだんに取り入れた創作料理で地域活性化に貢献したいと意欲を見せている。
日本公庫と山形銀行は相互に連携し、地元で創業する起業者を支援することで雇用機会の創出、技術革新の推進、地域産業等の振興などに貢献している。
茂田さんは横浜市出身。高校卒業後、調理師の専門学校に通い、東京都内のレストランに勤務した後、横浜市で調理長などを経験し、28歳で独立。妻の千鶴さん(40)と結婚後、2016年から横浜・元町でフレンチレストランを経営してきた。千鶴さんは鶴岡市朝日地域の出身で、一緒に帰省するたびに、庄内の自然の美しさや食材の豊富さに感銘を受け、夫婦で移住を考え、3年前から物件を探していた。そして空き家バンクに登録されていた古民家をリノベーションし、レストランにするための費用として融資を受けた。
完成した店舗の周囲には田園風景が広がり、月山や金峯山が見渡せることから、窓を大きく取り、落ち着いた空間で食事を楽しんでもらうことをコンセプトとした。野菜や魚介料理に定評があり、合わせるソースも彩り豊かな茂田さんの料理が映える内装に。また、ワインセラーに豊富なワインをそろえ、JSA認定ソムリエの千鶴さんがサービスする。店名の「9(ヌフ)」は夫妻に縁のある数字で、フランス語で「新しい」という意味もある。
茂田さんは「融資の担当者からは親身になって相談に乗っていただき、開店を迎えることができた。フレンチはゆっくり時間をかけて味わう料理。空間ごと楽しんでいただく非日常を演出したい」と話していた。
ここしばらくは不定休とし、1コースのみ(税別7900円から、要予約)で時間も正午、午後0時半、同6時、同7時から選ぶ。クリスマスの予約も受け付けている。予約・問い合わせはル・ヌフ=電090(2958)0999=へ。