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2024年(令和6年) 12月22日(日)付紙面より

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豪雨災害乗り越え「梨のデアノイエ」販売開始 刈屋梨の生産者応援 「苦みと甘みのバランス楽しんで」

 酒田市の酒販店主らで組織する庄内酒彩倶楽部(池田吉伸会長、8店)は、20日から同市特産の刈屋梨を用いた発泡性ワイン「梨のデアノイエ」の今季の販売を開始した。今夏の豪雨災害で同市刈屋の園地は冠水、倒木や周囲を囲む柵の倒壊など甚大な被害に見舞われたものの、栽培農家の努力で原料の梨は予定数量を確保。池田会長は「クリスマス、年末年始のさまざまなシーンで楽しんでもらえたら」と話している。

 同倶楽部は2003年に結成。同年8―9月に相次いで襲った台風で収穫間近だった約7割の刈屋梨が落下し、これらは廃棄。残った梨も擦れてかなりの傷が付いたことから売り物にならなくなった梨の有効活用を図ろうと、同倶楽部がワイン「梨のミューズ」を醸造・発表して以降、供給された刈屋梨を使ってワインを毎年発表している。

 デアノイエは、ドイツ語でその年に収穫した物で醸した新酒ワインのこと。深みはないものの、フルーティーさに富んでいるのが特長。今年は刈屋梨出荷組合(佐藤尚人組合長)による豊水約300キロとラ・フランス約200キロを使った。

 池田会長によると、生搾りジュースのような濃厚な味わいながら微発泡が口中を爽やかにしてくれるのが特長という。醸造元で清酒「清泉川」のオードヴィ庄内(同市浜中)の佐藤宅真さんは「和梨・洋梨とも玉伸びが良く、糖度も高かった。昨年から火入れを行っており、苦みと甘みのバランスを楽しんでもらいたい」と話した。

 今夏の災害にもかかわらず、今年7月上旬に締結した予定数量を確保してくれた組合に対し、池田会長は「引き続き生産農家を微力ながら応援し、相互に発展していけたら」と。梨のデアノイエのアルコール度数は6%で、要冷蔵。倶楽部加盟店で取り扱うほか、内陸の「やまがた酒彩倶楽部」加盟店でも販売。750ミリリットル入り1本2050円(税込み)。300本の限定発売。問い合わせは同倶楽部事務局の武田庄二商店酒田支店=電0234(22)6331=へ。

20日から販売がスタートした「梨のデアノイエ」
20日から販売がスタートした「梨のデアノイエ」



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