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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 6月27日(木)付紙面より

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幻の米「酒田早生」の酒 酒田酒造が醸造7月上旬から限定販売

 清酒「上喜元」を醸す酒田酒造(酒田市日吉町二丁目、佐藤正一社長)は、大正時代に酒田で誕生したものの、現在はほぼ姿を消したことから「幻の米」と称される食用米「酒田早生(わせ)」を用いて同名の日本酒を醸造。お披露目会を兼ねた試飲会が25日夕、同市の酒田まちなかホールで開かれ、会場内には「おいしい」という声が響き渡った。

 酒田早生は1912(大正元)年、商業施設「いろは蔵パーク」の建設工事が進む酒田商業高校跡地にあった豪商・本間家の農場「新井田農場」で、「万石」の変種を育成して誕生。当初は「万石2号」と呼ばれたが、26年に改称した。29年に県奨励品種となり、最盛期には本県だけでなく、近県にも普及。31年には東北全体で1万3000ヘクタールに作付けされたという記録が残る。戦後まもなくして品種改良の進展に伴い、衰退したという。

 庄内町の「亀の尾」を筆頭に地元在来品種で醸した日本酒は庄内他市町にはあるが、酒田にないことから「地酒の中の地酒」を造ろうと、県農業総合研究センター水田農業試験場(当時)の場長を歴任した大渕光一さん(酒田市)らが、同社杜氏(とうじ)でもある佐藤社長に相談したところ、快諾。昨季は同センター保管の種子を使って栽培した約280キロを入手した。

 このほど、完成した日本酒「酒田早生」は米の風味を生かすため精米歩合を純米吟醸クラスの60%に設定。アルコール度数は15・1度で、同社の内藤大輔製造部長は「フレッシュ感はそのまま。すっきりと飲める日本酒に仕上がった」と話す。ラベルは山居倉庫や大獅子、酒田舞娘(まいこ)など酒田を象徴するデザインを採用。この日は上喜元ファンが大勢来場し早速、「地酒の中の地酒」を堪能した。

 お披露目会参加の矢口明子酒田市長は「酒田を代表する酒蔵にもかかわらず、常に新たな挑戦をしていることがうれしい。『美酒美食のまち酒田』をさらに広めていきたい」と。佐藤社長は「少量のため醸造の難しさはあったが、何とかこの米を生かしたかった。『おらほの酒』として全国各地に送ってもらえたら」と話した。

 日本酒「酒田早生」は720ミリリットル入りで2500円(税抜き)。同社によると、7月上旬から市内の酒販店で450本ほどを限定販売する予定という。

「地酒の中の地酒」を堪能する参加者たち
「地酒の中の地酒」を堪能する参加者たち

ラベルには酒田を象徴するデザインを採用
ラベルには酒田を象徴するデザインを採用


2024年(令和6年) 6月27日(木)付紙面より

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「家康公検定」挑戦を 今年も鶴岡で9月21日

 徳川家康に関する知識を問う「家康公検定」が、今年も鶴岡市で9月に開催される。NHK大河ドラマ「どうする家康」で家康と家臣団が注目された昨年、徳川四天王筆頭で旧庄内藩主酒井家初代・酒井忠次公の縁で初の庄内開催が実現した。13回目となる今回の検定テーマは「大御所時代の家康公―家康公が築いた平和の仕組み」。

 徳川家康生誕の地・愛知県岡崎市の「一般社団法人徳川家康公に学ぶ会」(代表理事・大林市郎岡崎商工会議所会頭)が、戦国乱世を収め天下泰平の世の礎を築いた家康の偉業を顕彰し、家康に学ぶ機会を提供しようと、公益財団法人徳川記念館(東京、理事長・徳川家広徳川宗家19代当主)と共に2010年から始めた。検定会場は当初、学ぶ会事務局を担当している岡崎信用金庫本店など岡崎市内だけだったが、家康ゆかりの静岡県に広がり、昨年からは鶴岡市と福島県会津若松市が加わった。「家康公と家臣団」がテーマとなった昨年の検定では、鶴岡会場で小学生から大人まで79人が受験した。全体では1562人が受験し、合格率は75・6%だった。

 今回は9月21日(土)に実施する。試験時間90分で100問(四択、マークシート式)が出題され、100点満点の70点以上で合格となる。申込者にテーマに合わせたテキスト(副読本)が郵送され、これから7割程度が出題される。申込者全員にオリジナル記念品、合格者には合格証が贈られる。受験資格は特にないが、事務局側では小学校高学年以上を想定。受験料は一般2500円、小中学生500円。

 鶴岡では荘内神社参集殿が会場となり、先着100人を受け付ける。申し込みは7月12日(金)までで、所定の申込書による郵送かファクス、またはホームページで受け付ける。問い合わせは岡崎信金地域振興部内の徳川家康公に学ぶ会事務局=電0564(25)7213=へ。

 庄内地域での検定実施は、岡崎信金と鶴岡信用金庫(佐藤祐司理事長)との連携・交流が基になっている。鶴岡信金の担当者は「昨年のように庄内をはじめ、県内各地、隣県の歴史ファンの方々から挑戦していただければ」と話している。


2024年(令和6年) 6月27日(木)付紙面より

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庄内の企業経営 課題解決へ 事業承継考える 公益大大学院公開講座

 東北公益文科大学の大学院公開講座が22日、鶴岡市馬場町の同大学鶴岡キャンパスで開かれた。

 公開講座のテーマは「庄内地域の課題解決と企業経営~事業承継を考える~」。高齢化に伴い企業経営の世代交代が求められている中で、「親族承継」「社員承継」「第三者承継」をキーワードにした。

 講師には、建設機械に取り付ける各種バケット製造のイワテック(鶴岡市東岩本)の宮崎正相談役(74)と産業用ロボット用ワイヤーハーネス製造の山形ハーネス(鶴岡市友江)の水口啓一社長(56)、漬物製造販売の老舗・本長(鶴岡市大山一丁目)の本間光廣会長(79)の3人を招いた。宮崎相談役が社員承継、本間会長が親族承継、水口社長は前社長から引き受けたいきさつについて紹介した。

 公開講座には大学院生や学生、一般市民ら合わせて20人が参加。ウエノ(鶴岡市三和)の上野隆一社長を司会者に「事業承継のタイミングは」「経営権をバトンタッチして心配事はなかったか」「現在の状況は」といった参加者の質問に答える形で進めた。

 その中で宮崎相談役は「還暦となる60歳前から承継を考え、65歳にはバトンタッチしようと決めていた。そのためには会社の借金はゼロに、プールしたお金で設備投資ができるようにした。この間、新社長に推す工場長(現・佐藤広幸社長)と意識の共有を図り、スムーズに移譲できたと思う。今は自分から口を出すことはせず、佐藤社長を支える役目に徹している」と振り返った。

 水口社長は「新社長として継承するものはする、もちろん新事業展開にも挑戦する、というスタンスを大切にしている。何かと社長業は忙しさやプレッシャーからネガティブに受け取られがちだが、決してそうでもない。やりがいと楽しさがあることを理解してほしい」と話した。

 本間会長は「息子が後を継いだが、今の若い人は仕事とプライベートの区別をきっちりするところが良いところ。新商品の開発を進める中で、漬物業界とは全く関係ない分野からヒントを得ていることもプラスに働いている。今後『100年企業』を目指す経営者にとって一番大切なのは、やはり常に挑戦する気持ちを持ち続けることではないだろうか」と語った。

参加者の質問に答える本間会長(左)と水口社長
参加者の質問に答える本間会長(左)と水口社長


2024年(令和6年) 6月27日(木)付紙面より

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森林散策コンサート 庄内町清川 心地よい音色心癒やす

 「初夏のウォーキングとオカリナコンサート」が21日、庄内町清川の清川まちづくりセンター周辺で行われ、参加者たちが森林散策やコンサートを楽しんだ。

 清川地区振興協議会(石塚俊会長)の主催。御殿林は1700年代、清川地域を風水害から守るための防風林として整備され、戊辰戦争時には荘内軍が本陣を敷いて新政府軍と戦ったとされる。イベントはこの林を活用した地域活性を図る「御殿林利活用事業」の一環で初めて企画した。

 この日は晴天に恵まれ、60―70代の19人が参加。一般社団法人庄内町総合型スポーツクラブ「コメっちわくわくクラブ」のコーチ2人を講師に、足腰に負担の少ない歩き方などを教わりながら、約30分遊歩道や清河神社を回る散策を楽しんだ。

 同センターをスタートし、木漏れ日が降り注ぐ中遊歩道を進むと、午前10時20分ごろ林内のあずまやに到着。あずまやでは同町を中心に音楽活動を広げるオカリナアンサンブル・グレーニアの団員4人がオカリナ演奏で「故郷」などを披露。参加者たちは木々の間に響き渡る心地よいオカリナの音色に聞き入り、癒やされていた。参加した女性は「林の中で聞くオカリナの音色は格別だった」と話した。

 ウオーキング後、同センターに戻り、グレーニア6人によるオカリナコンサートが開かれ、「見上げてごらん夜の星を」「さくら(独唱)」などのほか、地元民になじみ深い「みんなの清川」を演奏。参加者たちは一緒に口ずさむなどして盛り上がった。

御殿林の中に響き渡った優しいオカリナの音色=清川まちづくりセンター提供
御殿林の中に響き渡った優しいオカリナの音色=清川まちづくりセンター提供



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