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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 7月31日(水)付紙面より

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災害ボランティア活動始まる 大雨被害の酒田 行方不明者の捜索続く

 庄内地方を襲った記録的な大雨で、甚大な被害が出た酒田市八幡地域で30日午前、市災害ボランティアセンターが募ったボランティアによる活動がスタートした。初日に登録したボランティアは約30人。遠くは大阪府から休みを利用して駆け付けた男性もおり、事務局の市社会福祉協議会(桐澤聡会長)は引き続き、来月4日(日)までのボランティアを募っている。一方、行方が分からなくなっている北青沢集落に住む相蘇外百子さん(86)の捜索は警察と消防で同日朝から再開したが午前11時半現在、発見に至っていない。

 今回の大雨被害を受けて市と市社協は27日、ボランティアによる支援の受け入れや調整を行う「酒田市災害ボランティアセンター」を初めて設置。同日以降、八幡・松山両地域、西荒瀬地区など甚大な被害が出た箇所を回ってニーズ調査を実施。その結果、部屋の片付け、泥のかき出し、ごみの搬出など60件余のニーズがあったことからボランティアを募り、30日から活動を開始した。

 この日は市内、県内はもとより、東北地方、関東圏、遠くは関西圏からの参加も。県社協、鶴岡・山形・東根3市の社協、酒田青年会議所が全面協力した。市ひらたタウンセンターに午前9時に集合しオリエンテーションの後、荒瀬川が氾濫して泥水が家の中まで流れ込んだ麓集落で、休憩を挟みながら午後まで作業。水分を含んで重くなった畳を運び出したり、まとめた災害ごみをトラックに積み込んだりしていた。

 27、28の両日に能登半島でボランティア活動をしてきたという大阪府富田林市から車で駆け付けた南雲大輔さん(44)=理学療法士=は「ニュースで被害状況を知り、できることはないかと思い、車を走らせた。昨年の福島県いわき市と同じで、典型的な水害。できる限りのことをしたい」と、汗だくになりながら話していた。

 市社協は引き続きボランティアを募っている。参加は中学生以上で、中学生は保護者同伴、高校生は保護者の同意書が必要。活動の詳細は当日、案内する。申し込みは市社協専用ページ=https://sakata-shakyo.or.jp/participate/disaster-volunteer-center/=で。

ボランティアによる活動がスタート。後片付けなどに精を出した=30日午前10時15分、酒田市麓
ボランティアによる活動がスタート。後片付けなどに精を出した=30日午前10時15分、酒田市麓

行方不明になっている相蘇さんの捜索に当たる警察官たち=30日午前11時、酒田市大豊田
行方不明になっている相蘇さんの捜索に当たる警察官たち=30日午前11時、酒田市大豊田


2024年(令和6年) 7月31日(水)付紙面より

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致道館中の学び体験 小学6年生150人参加 “先輩”サポートオープンキャンパス

 庄内地域初の中高一貫校として鶴岡市に今春開校した県立致道館中学で27日、小学6年生を対象にしたオープンキャンパスが行われ、体験授業などを通じて同校の教育内容などについて理解を深めた。

 同校は1学年定員99人。現在の小学6年生が第2期生となる。この日のオープンキャンパスは児童のみが対象で、午前と午後の2回に分けて実施され、田川地区から約110人、飽海地区から約40人の合わせて約150人が参加した。

 1期生の1年生たちが制作した動画で学校生活や部活動などを紹介し、合唱部と有志による校歌を披露して歓迎。担当教員が中高一貫の同校の教育内容や学校行事、55分間の授業が平日の毎日6時間あること、部活動は中学3年の後半から高校の部活動への早期入部が可能なことなどを説明した。

 引き続き参加者たちは、国語、社会、英語、数学、理科の5教科のうち、好きな教科を一つ選んで、55分間の授業を体験。“先輩”の1年生が手助けする中、英語では「マイ・ネーム・イズ・○○」と自己紹介したり、クイズを楽しんだり、理科では実験に挑戦したりした。鶴岡市内の男児は「体験授業はとても楽しかった。地学や天文に興味があり、探究部に入っていろんなことを勉強したい」、同じく女児は「致道館中学は何か楽しそうな学校。入学したい」と話していた。

 第2期生となる同校の本年度入学者選抜は、9月14、15日に説明会を開催し、11月25―29日に入学願書受け付け。来年1月11日に入試に当たる適性検査を行い、同月17日に結果通知書が発送される。

1年生が校歌合唱で歓迎した致道館中学のオープンキャンパス
1年生が校歌合唱で歓迎した致道館中学のオープンキャンパス


2024年(令和6年) 7月31日(水)付紙面より

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羽越本線を次につなげなければ

 JR羽越本線が31日、全線開通から100周年になる。「日本海縦貫鉄道」として、人と物資を運ぶ大動脈の役割を果たしてきたが、近年は利用者の減少で厳しい経営環境に置かれている。政府が地方鉄道再編に動き出している中で、次の100年へとつなげていくため、どのような対策を講じればいいのか知恵を絞らなければならない。

 羽越本線は新津―秋田間(272キロ)を走る。1924年7月31日、最後の工区の村上―鼠ケ関間が完成して全線が開通した。その直後に青森―大阪間に急行列車が運転されたことからも、沿線住民の鉄道に寄せる期待が大きかったことが伝わってくる。

     ◇       ◇

 羽越本線は日本海側の豊富な物資輸送や対岸貿易の重要性から、早期の完成が望まれていた。戦後は時代の要請で集団就職列車が走り、「月山」「鳥海」「羽黒」「出羽」など、庄内の地名を冠した特急や急行列車が人々を運んだ。現在は特急「いなほ」が、新潟駅で上越新幹線との接続を経て首都圏とをつなぎ、貨物列車による大量輸送という重要な鉄路にもなっている。

 かつて高速鉄道、空港、高速道がない庄内を、地元では「陸の孤島」と呼んだことがある。その後、空港と高速道の整備が進む一方、羽越本線の高速化は遅れた。73年にフル規格の「羽越新幹線」が全国新幹線鉄道整備法で基本計画に位置付けられた

が、半世紀も動き出す気配がない。人が空港や高速道に移動の手段を頼るようになったこともあり、利用者の低迷が鉄道網整備の遅れにつながっていることは否めない。

 人口減少、少子化による影響が大きいことを裏付ける数字がある。羽越本線は高校生が通学する重要路線だった。ところがその高校生が激減した。庄内の県立高校の募集定員は1987年に3965人だったが、2008年に2560人、23年は1760人に減った。高校生全員が列車通学しているわけではないが、羽越本線沿線の人口減少を物語る。

     ◇       ◇

 鉄道は大量輸送が大前提の交通機関だが、その特性を生かし切れない利用者の減少ぶりだ。JR東日本が公表した、利用者が少ない地方路線の22年度の収支で、羽越本線の村上―鶴岡間の赤字額は約49億4600万円。管内で一番大きい。営業キロ数が長く、単線と複線が混合するなどで、維持管理、補修費で営業経費が膨らんでいる。

 政府は地方鉄道再編の対象に、当面1キロ当たりの1日平均乗客数が1000人未満の路線を視野に入れている。村上―鶴岡間の23年の乗客数は1423人、鶴岡―酒田間は1736人。観光キャンペーンなどは一過性で利用者増の効果が不十分といわれるが、そうした企画を積み重ねるなど、さまざまな企画に工夫を凝らしたい。もちろん、大勢が積極的に利用したい。次の時代につなげるためにも。

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2024年(令和6年) 7月31日(水)付紙面より

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製作ロボで課題クリア 鶴岡 小学―高校生コンテスト熱戦

 自律型ロボットによる国際的なロボットコンテスト「WRO Japan2024」公認の山形地区予選会が28日、鶴岡市の鶴岡工業高校で行われた。小学生から高校生まで3部門で競技が行われ、ロボットがコース上の課題をクリアする正確さやスピードを各チームが競った。

 同コンテストは、子どもたちが自らの手でロボットを製作し、組み込んだプログラムによる自動制御の技術を競う。メカトロ技術の基礎、基本を習得し自発的かつ創造的な学習態度の育成を図るとともに、ものづくりによる課題解決型教育の推進と新技術への夢を育むことを目的とする。

 山形地区予選会はエレメンタリー(小学生)、ジュニア(中学生)、シニア(高校生)の3部門が行われ、小学生と中学生はいずれも鶴岡市内から各2チーム、高校生は鶴岡市と内陸から計8チームが出場した。

 各チームのロボットは超音波センサーや色の識別センサーが組み込まれており、競技ステージに描かれたラインや設置されたブロックの位置や色を判断する。特定のブロックを指定されたポイントまで運搬し、技術の正確さや作業のスピードで加点される。フィールド内に置かれた柵などの障害物や建物に見せかけたブロックを倒すと減点になる。

 競技は部門ごとに2回ずつ行われ、子どもたちは事前に何回もプログラミングやロボットの動作をチェック。本番では自走するロボットが想定通りに作業してくれるよう見守った。プログラミング上のミスでロボットがブロックの色や位置を認識できず、無念のリタイアに涙する子どももいた。

 エレメンタリー部門に出場したチームKRKの鈴木心太朗君(11)=朝暘五小6年=と長谷川華心さん(9)=上郷小4年=は「ロボットがプログラミング通りに動いてくれて、練習よりもうまくいった。推薦をもらえて全国大会へ出場できたらうれしい」と話していた。

 全国の決勝大会は来月24(土)、25日(日)に富山県総合体育館で行われる。山形地区予選会の成績上位で、全国大会でも活躍が期待できると判断されたチームは決勝大会への出場を推薦される。

自走型ロボットがプログラミング通り動いてくれるよう見守る子どもたち
自走型ロボットがプログラミング通り動いてくれるよう見守る子どもたち


2024年(令和6年) 7月31日(水)付紙面より

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全国、東北大会へ闘志 全日本バレーボール小学生大会 「藤島」「櫛引」互いに頑張ろう

 第44回全日本バレーボール小学生大会県大会・女子の部で優勝した藤島バレーボールスポーツ少年団と、準優勝した櫛引女子バレーボールスポーツ少年団のメンバーが29日、鶴岡市教育委員会を表敬訪問し、布川敦教育長へ全国大会や東北大会への出場を報告した。

 両チームは地区大会決勝でフルセットの末、藤島が地区1位、櫛引が2位で県大会へ出場。県内各地区から集まった16チームによる県大会で両チームは順調に勝ち上がり、決勝で再び激突。藤島が2セットを連取し優勝となったが、いずれのセットとも3~4点差と実力は伯仲していた。この結果、藤島は全国大会と東北大会へ、櫛引は東北大会への出場が決まった。

 この日、両チームの代表選手各6人が指導者とともに市櫛引庁舎の教育委員会を訪問。田川地区小学生バレーボール連盟の菅原一彰会長が「この大会で鶴岡田川勢は決勝まで進出したことはあるが今回が初優勝。鶴岡田川勢同士での決勝戦も初めて」と布川教育長に報告した。

 選手たちへ記念品を贈った後、布川教育長は「全国や東北の強豪と粘り強く戦ってほしい。精いっぱい活躍して心に残る大会となることを祈念する」と激励した。その後の懇談で選手たちは「絶対勝てるという気持ちで試合に臨んだ」「次の大会でも最後まで諦めずやり抜く」と激戦の振り返りや全国、東北大会の抱負を語った。

 互いをライバルと目する両チーム。藤島の中村結春キャプテン(12)=藤島小6年=は「最後まで諦めず球をつなぐ藤島スポ少のバレーを全国、東北大会でもやりたい」、櫛引の高橋莉心キャプテン(11)=櫛引西小6年=は「互いに声を掛け合い、つなぐことを意識する。東北大会で藤島と当たったら次は勝ちたい」とそれぞれ闘志を示した。

 全国大会は8月6―9日に東京など、東北大会は9月28、29日に宮城県内で開催される。

県大会で優勝した藤島スポ少
県大会で優勝した藤島スポ少

県大会準優勝の櫛引スポ少
県大会準優勝の櫛引スポ少


2024年(令和6年) 7月31日(水)付紙面より

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土門拳が撮った多様な「眼」 記念館企画展 焦点当てた184点展示

 酒田市名誉市民で世界的写真家・故土門拳さん(1909―90年)が撮影した多様な「眼(め)」に焦点を当てた「The Eyes―土門拳が撮った眼」展が、同市の土門拳記念館(佐藤時啓館長)で開かれている。

 土門さんは生前、「被写体に対峙(たいじ)し、ぼくの視点から相手をにらみつけ、そして時には語りかけながら被写体がぼくをにらみつけてくる視点を探る。そして火花が散るというか、二つの視点がぶつかった時がシャッター・チャンスである」と書き残している。多くの被写体の“眼”を意識し撮影していたことに焦点を当て、今回の展示会で企画。20世紀のドキュメンタリー写真を代表する「ヒロシマ」「筑豊のこどもたち」のほか、仏像写真をクローズアップした「古寺巡礼」、昭和の著名人たちの肖像を収めた「風貌」などから厳選した計184点を展示した。

 愛知県出身の薬理学者・故田村憲造が真剣なまなざしで顕微鏡をのぞく姿、世界的版画家・故棟方志功が一心不乱に版画に向き合う眼力、「古寺巡礼」の中で仏像の「視線」を感じる作品などが並ぶ。

 また、東京・銀座の路上で、靴磨きの少年が笑顔を見せた瞬間を捉えた「銀座のシューシャインボーイ」、福岡県立川児童相談所で不安げにカメラを見る戦争孤児たちを写した「保護されたこどもたち」など、戦後の子どものたくましさや純粋さをたたえた「目」が印象的。

 展示は10月22日(火)まで。8月30日(金)から第30回「酒田市土門拳文化賞受賞作品展」も同時開催する。

土門さんが写した「眼」に焦点を当てた企画展
土門さんが写した「眼」に焦点を当てた企画展



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