2024年(令和6年) 8月21日(水)付紙面より
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「少しでも被災者のために役立てて」―。先月に発生した記録的大雨の被災者支援に向けた輪が、義援金、災害ボランティアといった形でここ庄内地域で広がっている。災害ボランティアセンター(VC)が八幡タウンセンターに移転した酒田市では、友好都市の盟約を締結する宮城県大崎市から訪れたボランティアが活動。酒田、遊佐両市町が独自に募る義援金にも善意が寄せられている。
独自の義援金にも“善意” 酒田東高では学校祭売り上げ贈る
酒田市の酒田東高校(齋藤一志校長、470人)の学校祭実行委員会(富樫亜美実行委員長)は19日、学校祭の売上金18万円を市が独自に募る「令和6年7月山形県酒田市大雨災害義援金」に寄付した。
同校は先月18日から3日間、学校祭「東翔祭」を開催。3日目の20日は、コロナ禍の影響で休止していた一般公開を5年ぶりに再開し、待ちかねた市民や卒業生ら約1000人が来校。各クラス・委員会の模擬店、キッチンカーによる物販など楽しんだという。
富樫委員長(17)=3年、菅原颯香副委員長(17)=同=によると、売上金は当初、今年元日に発生した能登半島沖地震の被災地支援に役立てる予定だった。地元における被害状況を目の当たりにし、義援金として市に寄付することにしたという。
この日、2人は引率の教諭と共に窓口となっている健康福祉部地域福祉課を訪問。義援金を受け取った高橋紀幸健康福祉部長は「市内では避難所が6カ所設置され、約70人が暮らしている。被災者の生活再建に向け、お預かりします」と謝辞。災害ボランティアとして八幡地域で活動したという富樫委員長は「被災者支援に役立てば」、菅原副委員長は「頑張ってつくり上げた学校祭の売上金で支援できることがうれしい」とそれぞれ話した。
遊佐町も「令和6年7月山形県遊佐町大雨災害義援金」を受け付けている。支援方法は口座振り込みと現金書留。詳しくは町出納室=電0234(72)5888=へ。
迅速な活動へVC八幡移転 宮城県大崎市からボランティアバス
記録的大雨で甚大な被害が出た酒田市は20日、これまでひらたタウンセンターに設置していたVCを八幡タウンセンターに移転した。市災害VC事務局の市社会福祉協議会によると、被害が集中し支援要望が多い八幡地域での活動をより迅速に行うための措置。移転初日は宮城県大崎市社協によるボランティアバスが企画され、同市民が同地域内で家屋の片付けなどに汗を流した。
それぞれ合併前の山形県松山町と宮城県松山町が友好町の盟約を結んでいたことから、酒田市と大崎市は継続するとともに災害援助協定を締結。2011年の東日本大震災の際は酒田市から大崎市に多くの救援物資を贈っており、今回の大雨では大崎市職員が酒田市内の家屋の被害調査を実施している。
この日は大崎市民12人が来酒。災害VCで対象家屋のマッチングを済ませ、必要資機材を積んで早速出発していた。
2024年(令和6年) 8月21日(水)付紙面より
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鶴岡市丸岡の天澤寺(庄司良圓住職)そばの丸岡城跡のお堀でハスが花を咲かせている。最盛期は過ぎているものの、8月下旬となっても花を咲かせているのは珍しく、大きく開いた淡い桃色の花が訪れた地元住民や観光客などの目を楽しませている。
1963年に県指定史跡となった「丸岡城跡および加藤清正墓碑」は、その後の発掘調査を経て2006年から4カ年かけて堀や水路、土塁などを復元し史跡公園として整備された。
ハスは4年ほど前に庄司住職が堀の一角へ植えたもので、酒田市の業者から株分けしてもらった。当初数株だったハスは数百株まで増え、一昨年初めて数輪が花を咲かせたという。今年は6月下旬に咲き始め、最盛期には約50輪が淡い桃色の花を開かせた。花弁は大きいもので直径20センチ近くになった。
庄司住職は「ハスは仏花とされ、多くの仏様がハスを模した『蓮華(れんげ)座』に座している。蓮華は尊い仏の悟りという意味があり、『泥中の蓮華』ということわざにもあるように、泥から芽を出して大輪の花を咲かせるハスの姿は、俗世(泥)に生まれても尊い悟りを得ることと重ねられる。寺のそばの堀で育てるには最適の花」と話した。
また、「信仰心のあつかった加藤清正公は『南無妙法蓮華経』と書かれた題目旗を掲げて戦ったという。ここにも蓮華が関わっており、清正公が眠る寺にとってふさわしい花。そうしたことを考えながらハスを観賞すると、新たな楽しみが生まれるのでは」と語った。
同寺によるとハスは例年なら7月中に咲き終わるが、今年は8月いっぱい楽しめそうだという。
2024年(令和6年) 8月21日(水)付紙面より
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歌舞伎と日本舞踊、尺八と和太鼓といったジャンルを超えて雅楽を融合させた「雅楽コラボ公演」が18日、鶴岡市黒川の「王祇会館」で行われた。
鶴岡市の尺八奏者、門脇浩紘さんらによる「共舞絆雅大版図(きょうまいはんがだいばんず)」が、幅広い年代の人に雅楽の魅力を知ってもらうとともに、雅楽の多様性を創造し、共有しようと初めて開催した。
出演は酒田市出身の日本舞踊千川流二代目家元・千川貴楽さん、羽黒太鼓保存会、門脇さん、ゲストの鶴岡市出身の歌舞伎役者・中村橋吾さん。創作歌舞伎と尺八のコラボも繰り広げられたほか、「ワインレッドの心」の尺八ソロ演奏、千川さんによる日本舞踊・長唄「七福神」の披露もあった。
歌舞伎と日本舞踊のコラボでは、千川さんと中村さんが「連獅子」の間(あい)狂言「論宗(しゅうろん)」を演じた。宗派の異なる僧が、自分の宗旨の素晴らしさを褒めて言い争ううちに、互いの念仏と題目を取り違えてしまう演目で、滑稽な様子に来場者から笑いがこぼれ、2人の息の合った掛け合いと舞、リズミカルな団扇(うちわ)太鼓と鉦(かね)の音に大きな拍手が湧き起こった。会場には約180人が訪れた。
2024年(令和6年) 8月21日(水)付紙面より
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第69回鶴岡市民総合体育大会の開会式が19日夜、鶴岡市のつるしんアリーナ小真木原(小真木原総合体育館)で開かれた。今大会には野球、サッカー、バレーボール、ソフトテニス、バドミントン、水泳など計17競技(ソフトボールとグラウンドゴルフは終了)に総勢約2000人が出場、日頃の成果を競う。
開会式には鶴岡市26学区・地区の代表者ら関係者合わせて約50人が参加。山本益生大会会長(鶴岡市スポーツ協会長)が「少子高齢化の波で競技人口は減少傾向にあるが、それぞれ地域の活性化と健康づくりに向けて頑張ってください」とあいさつした。
席上、永年出場者の表彰が行われ、山本会長が今大会で50回目の節目となったバドミントンの海藤甚一さん(72)=鶴岡市平成町=らに表彰状を手渡した。大会は24、25の土日を中心に各会場で熱戦を繰り広げる。
「目いっぱいプレー」出場50回の海藤さん
鶴岡市民総合体育大会に50回目の出場となる海藤さんは表彰状と記念の盾を手に「(市民総体は)何といっても若い人たちと交流できるのが一番の楽しみ」と笑顔を見せた。
バドミントンは中学時代に始めた。「室内で一年中できるスポーツですから」と海藤さん。古希を過ぎた今は健康づくりとライフワークの一つとして続けている。
競技は25日に藤島体育館で行われる。本番に向けて海藤さんは「さすがに若い人たちに負けないよう、とは言えないが、目いっぱいプレーしたい」と抱負を語った。