2024年(令和6年) 8月22日(木)付紙面より
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全日本空輸は20日、1日4往復となっている庄内空港の東京線(羽田便)について、本年度下期(10月27日―来年3月29日)を通じて、1便増の5往復運航とすると発表した。上期については3月末から5月初めにかけての13日間のほか、10月1日―同26日も期間増便が決定しており、これを延長する形で10月1日から来年3月末まで半年間継続して5便化体制の期間増便となる。これまでの増便期間の利用が堅調に推移したこともあり、全日空が昨年度に続き下期の期間増便継続を判断した。
増便分は、これまでと同様の時間帯に設定され、▽羽田発午後0時25分、庄内着同1時25分▽庄内発午後2時15分、羽田着同3時20分―の便。機材はエアバスのA320(座席数146)、A321(同194)、ボーイング737―800(同166)の3機種を需要に応じて使用する。
県庄内総合支庁によると、本年度の5月までの5便運航(3月31日、4月1日、4月26日―5月6日の13日間)の平均搭乗率は65・1%で、昨年度の3月26日―5月31日の65・4%とほぼ同じだった。4往復運航だった今年6月は74・7%、7月は73・8%と好調な利用状況となっている。
今回発表された全日空の運航計画で、羽田空港発着枠で期間増便が継続されるのは庄内、沖縄、長崎の3路線。
期間増便継続を受け、庄内空港利用振興協議会長の矢口明子酒田市長は「1日5往復の期間延長により、国内外との交流拡大、地域経済への波及に大きな効果をもたらすと期待している。増便期間に合わせ各種キャンペーンを実施し、さらなる利用拡大に向けた活動を積極的に行い、通年5便化など庄内空港の発展が図られるよう利用振興に取り組んでいく」とコメントした。
2024年(令和6年) 8月22日(木)付紙面より
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先月の記録的大雨で園地が冠水するなど被害を受けた酒田市特産の和梨「刈屋梨」。主力品種「幸水」の本格的な出荷を前に規格を統一する目揃(めぞろ)え会が20日午後、同市のJA庄内みどり北部選果場で開かれた。同JA刈屋梨出荷組合の佐藤尚人組合長によると、出荷量は例年に比べて少なくなる見込みだが、玉伸び、糖度は十分という。21日から共同選果がスタート、大雨被害を乗り越えた秋を代表する庄内の味覚が間もなく消費者に届く。
同市刈屋地区では明治時代初期に梨栽培がスタート。土壌が適していたことに加え、地元農家の努力で「刈屋梨」のブランド名が定着。一般消費だけでなく贈答用としても多くの引き合いがある。現在は同市北部を流れる荒瀬川左岸地域の果樹園約31ヘクタールで組合員38人が主力の「幸水」、甘味と酸味のバランスが良い「豊水」など和梨、洋梨を栽培し共同出荷している。
先月の大雨で荒瀬川が氾濫したため、園地のうち約3割に当たる9・4ヘクタールで冠水被害を受けた。出荷組合は目揃え会を前に全体会議を開き、水に漬かった梨は出荷しないことを決定。当初は全体で約135トンを出荷する予定だったが、約104・5トンに落ち込む見通しという。
この日は生産者、JA関係者らが参加し、秀品(赤秀)、優品(青秀)、無印、規格外の等級など確認した。佐藤組合長は「小ぶりだった昨季に比べてひと回り大きく、大雨がなければ上作だった。例年通り味は良く、安心して食べてほしい」と話した。幸水の収穫は9月中旬までで、豊水はその後。刈屋梨の収穫作業は12月の洋梨まで続く。
2024年(令和6年) 8月22日(木)付紙面より
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鶴岡市消防本部の水難救助隊員が東北大会でトップクラスの成績を収め、第52回全国消防救助技術大会(23日、千葉県国際総合水泳場)に出場する。本番を前に隊員は「日頃の訓練成果を発揮したい」と抱負を語った。
全国大会の水上の部に出るのは警備第1課消防副士長の高橋繁満さん(29)、朝日分署第1係の冨樫孝太さん(23)、羽黒分署第1係の松浦尊さん(22)、藤島分署第1係の菅原良多さん(25)の4人。先月17日に宮城県で行われた東北大会・水上の部の「基本泳法」で1位、「溺者搬送」で2位、「溺者救助」で1位となり、東北地区の代表として全国出場を決めた。
全国大会には7種目に計261人の精鋭が出場しタイムと技術を競う。21日に鶴岡市民プールで最終調整した冨樫さんは「東北の代表として頑張りたい」、松浦さんは「命を救う水難救助隊員の一人としていつも通り的確にこなせるよう」、菅原さんは「4月から訓練してきた成果を全国の舞台で試したい」とそれぞれ語った。
チームリーダーの高橋さんは「昨年の東北大会では自分のミスが響きチームに迷惑をかけてしまった。今日の最終調整は一つ一つの手順や動きをチェックした。みんなと一致団結し(救助隊員としての)意気込みを見せたい」と決意を話した。隊員は22日に千葉県習志野市に向けて出発する。
2024年(令和6年) 8月22日(木)付紙面より
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酒田市の酒田小型船舶安全協会(酒田小安協、阿曾勝彦会長)によるヒラメの稚魚の放流が20日、酒田市の大浜海岸で行われ、真夏の日差しを浴びながら幼稚園児たちと会員が協力して放した。
酒田小安協は、市内のモーターボートやヨットなどプレジャーボートの所有者らで組織し、事故防止の啓発や海洋資源の保護、環境美化などに取り組んでいる。会員は470人、所有船舶は405隻。
放流活動は四半世紀ほど続く恒例行事で、今年は同市の酒田幼稚園、酒田第二幼稚園の年中・年長児計31人と会員が参加。鶴岡市三瀬の県栽培漁業センターで今年5月ごろに生まれ、体長8―10センチに成長した稚魚約7000匹を放流した。
初めに協会員が「放流した赤ちゃんヒラメは3年後、体長30―40センチまで成長する。『大きくなれ』と声を掛けながら放流してください」と呼び掛け。その後、バケツに稚魚を入れてもらった園児たちは浅瀬まで出て、「ヒラメさん、元気で帰って来てね」と話しながら丁寧に放流した。
阿曾会長(71)は「われわれにとってヒラメは最も身近な魚類。釣り上げる分、資源保護にも努めていかなければいけない。子どもたちと一緒に活動することに意義があると思う」と活動に込めた思いを語った。
2024年(令和6年) 8月22日(木)付紙面より
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障害者に海の楽しさを伝える「バリアフリービーチ大作戦」が18日、鶴岡市鼠ケ関のマリンパークねずがせきで行われた。
海浜レジャーに接する機会が少ない障害者を招き、一緒にマリンアクティビティーを楽しもうと山形バリアフリー観光ツアーセンター(南陽市)主催、医療法人社団みつわ会(鶴岡市)共催で、2017年から実施している。6回目の今回は、車椅子を利用している人や知的障害のある子どもたちと家族ら約50人が訪れた。地元の鼠ケ関自治会やNPO法人あつみ自然体験温海コーディネット、公益社団法人ライフセービング協会などボランティアの支援スタッフと家族らを合わせ総勢約170人が参加した。
真っ青な空と透明度の高い海が“歓迎”する中、参加者たちはライフジャケットを着てシーカヤックや水上バギー、ヨット、ビッグサップボードなどのマリンアクティビティーを満喫した。車椅子を使用している鶴岡市内の女児(10)は水上バギーに乗った後、「この日を待っていた。座りながら海に入れてとっても気持ち良くて楽しかった」と笑顔いっぱい。砂浜で見守っていた母親は「こうした機会がない限り、海水浴を楽しむのは難しい。スタッフがしっかりとサポートしてくれるので、安心して楽しめます」と話していた。
参加者たちが楽しんでいる様子を見て、みつわ会の関係者は「いろんな方面の方々の協力で開催できている。皆さんに感謝しかありません」と話していた。