2025年(令和7年) 1月16日(木)付紙面より
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病気や加齢などで食べ物が飲み込みづらくなる「嚥下(えんげ)障害」の人にも「酒田のラーメン」を楽しんでもらおうと、酒田市麺類食堂組合(石垣洋平組合長)、嚥下食研究に取り組む北庄内食援隊(大沼寛隊長)が共同開発した嚥下調整食「やわとろ 酒田のラーメン」が今月25日(土)、同市のホテルリッチ&ガーデン酒田で開かれる「『ラーメン県そば王国』フェスタinさかた」で初めて一般向け提供される。食援隊事務局は「まずはこのラーメンを多くの人から知ってもらいたい」と話している。
高齢者施設の利用者から「酒田のラーメンをもう一度味わいたい」という声が上がり、人生の最期まで口から料理を食べる「食のバリアフリー」について研究を進める、医療・介護・行政関係者、調理師らで組織した北庄内食援隊が「嚥下酒田のラーメンプロジェクト」と銘打ち、食堂組合と共に「刻み食」が食べられる人を対象に開発した。
柔らかさを追求した小麦の麺、飲み込みやすいよう若干とろみを付けたスープとともに、ペースト状にしたものを成形し直したメンマ、ひき肉にとろろを加えるなどしたワンタンと具材にもこだわり、昨年11月の完成お披露目会では矢口明子市長はじめ参加者が試食し、好評を博した。
広く周知を図るため、多くのラーメンファンが集まるイベントで初めて一般向けに提供するフェスタ当日は、午前11時に開幕し午後8時まで。チケット制で前売り・当日とも1セット10枚つづりで2000円。「やわとろ 酒田のラーメン」はチケット5枚で予約販売する。「少し食べてみたい」という人向けに小サイズも用意(チケット2枚)。予約の受け付けは22日(水)まで。予約や問い合わせは、平日の午前9―午後5時に北庄内食援隊事務局(老人保健施設ひだまり内)=電0234(25)6323=の佐藤裕邦さんへ。
北庄内食援隊は来月2日(日)、容易にかむことができる柔らかく調理したフレンチを楽しむ食事会「やわらかかふぇCome×Come」を酒田市の松陵学区コミュニティ防災センターで開く。
食援隊は、高齢者のフレイル(虚弱)予防を目的に、交流の場として食事会をこれまで4回開催。参加対象は一人暮らしや老々介護などで外出機会が少なくなった人、他の人と話す機会がない人など。当日は午前10時半からで、30分ほどの講話、口腔(こうくう)や嚥下の運動を兼ねたゲームに続き食事会は正午から。歯茎や舌でつぶせる▽ふんわりミートローフ▽ミネストローネ▽寒鱈のクリームグラタン―など提供する。
定員は先着20人。食事代は500円(当日支払い)。問い合わせや申し込みは平日の午前9―午後5時に前出の北庄内食援隊事務局へ。