2025年(令和7年) 1月23日(木)付紙面より
ツイート
昨年7月の記録的大雨で生活環境が大きく変わった被災者の支援・ケアに従事している酒田市社会福祉協議会(桐澤聡会長)の「被災者生活支援・地域支え合いセンター」(梅木和弘センター長)は現在、コミュニティー維持や被災住民の孤立予防、ニーズ聴取などを目的にした「ふるさとカフェ」を精力的に開催している。18日は八幡タウンセンターと内郷コミュニティセンターで生け花の教室を開催、参加した被災者が造形を楽しみながら相互に親睦を深めた。
同センターは昨年11月、市の委託を受けた酒田社協が国による「被災者見守り・相談支援等事業」の補助を活用して設置。災害で住宅が被災し、応急仮設施設などに住む市民から安定した日常生活を営んでもらえるよう孤立防止のための見守り、日常生活や生活再建に関する相談、関係機関との連絡調整など支援活動を行っているほか、先月25日から「ふるさとカフェ」を随時開催し、被災者に交流の場を提供している。
18日はメンバーそれぞれの特技を生かしたボランティア活動を全国各地の被災地で展開する支援団体「四番隊」(千葉県袖ケ浦市、伊藤純代表理事)に所属し、規格外の花「ロスフラワー」を用いた教室を主宰する中村佳世さん(東京都)を講師に迎え、両会場に多くの被災者が足を運んだ。
このうち八幡会場には女性20人が参加。能登半島地震の被災地で月に1回、ボランティアで教室を開催している中村さんが用意した花は、茎が曲がっていたり、短いため販売に適さないカーネーションやバラ、センニチコウ、ガーベラなど。「ルールはなく、バランスよく自由に生けて」との指導を受け、参加女性たちは思い思いに花瓶に挿していた。参加者の一人、土井けい子さん(75)=同市小泉=は自宅で多くの花を育てていたが、大雨災害で庭が浸水したため全て駄目になったという。「これまでも玄関先に自分で生けた花を飾っていた。花を見るとやはりほっとする」と話し、「持ち帰って早速飾ります」と続けた。
同センターは「家庭を訪問してのニーズ聴取は一巡した。引き続きこのような場で悩みや困り事などを相談してもらえたら」と話し、23日(木)午後6時から西荒瀬コミセンで生活再建相談会を、翌24日(金)午後2時から温泉施設・ゆりんこで「ふるさとカフェ」をそれぞれ実施する。問い合わせはいずれも同センター=電0234(23)5764=へ。