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2025年(令和7年) 3月22日(土)付紙面より

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18―20世紀初頭プラントハンターと植物画 遠山さん(公益大名誉教授)時代背景交え紹介

 東北公益文科大学大学院・鶴岡市(致道ライブラリー)・慶應義塾大学先端生命科学研究所の連携企画「プラントハンターと植物画」の講演会が20日、鶴岡市の公益大鶴岡キャンパスで開かれた。

 大学院特別講座として行われたもので、花をテーマに一昨年の牧野富太郎博士、昨年の鶴岡と西洋のバラに次いで3回目。公益大名誉教授(イギリス中世史)で植物に詳しい遠山茂樹さんが、18―20世紀初頭にかけて未知の植物を求めて世界を駆けたプラントハンターや、彼らが持ち帰った植物を描いた植物画家について解説。さらにモネをはじめとする画家の作品に描かれた植物について、その時代背景も交えて紹介した。

 イギリスではプラントハンターの役割が2つあり、1つはゴムの木のような有用植物を採集し、世界各地にある植民地の、どこで栽培すれば効率が良いかを探るもの。もう1つはダリアやゼラニウムなど観賞用植物を採集するもの。遠山さんは「英国がガーデニング大国になったのは、プラントハンターの役割が大きい。18世紀中頃のキャプテンクックの大航海中に1人も壊血病にならなかったのは、同行したプラントハンターのジョセフ・バンクスが採集した植物が影響しているのではと注目している」と解説。また、ハスの花の絵で有名なモネが描いたダリアや菊、グラジオラスなどの花の絵も紹介し、「モネの絵には日傘を差した女性が登場するが、19世紀中頃に軽くて強い針金が登場し、大量生産されたから」などと当時の世相なども織り込んだ。

 講演会には来場、オンライン合わせて約50人が参加。大画面で表示される人物や花の絵に見入りながら、興味深い話に耳を傾けていた。

「プラントハンターと植物画」について解説した遠山名誉教授
「プラントハンターと植物画」について解説した遠山名誉教授



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