2025年(令和7年) 3月22日(土)付紙面より
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県内各界の一線で活躍する女性たちで組織するNPO法人・酒田港女みなと会議(酒田市、加藤明子理事長)による「やまがた女みなとフォーラム」が20日、鶴岡市の東京第一ホテル鶴岡で開かれた。講演やトークリレーを通して次世代に向けた海洋環境教育の在り方などを考察した。
同会議は本県唯一の重要港湾・酒田港について理解を広め、利用促進や地域の活性化につなげようと1998年、県内全域の女性で結成。魅力ある酒田港づくりに向け提言をしたり、フォーラム企画・運営で啓発を図っている。みなと総合研究財団(東京)による助成を受けて開催した今回は、「森里川海 つなげよう人と自然と次世代と」がテーマで、庄内地域を中心に約40人が参加した。
最初にNPO法人・大阪湾沿岸域環境創造研究センター(大阪府)の岩井克巳専務理事が「次世代と育む海ものがたり『はんなん海の学校』の取り組み」と題し、「海洋教育」を社会教育として地域に根付かせることを目的に、大阪府阪南市と同センターが創設した「はんなん海の学校」の取り組みを紹介。「経済の発展は社会の安定で成り立ち、その社会は生物圏が支えている。土台となる自然環境の安定は不可欠」と指摘した上で、「―海の学校」について「未来に向けて行動できる人材の育成を目的にしている。『生徒』たちは今年5月、大阪万博の会場で学習成果を発表することになっている」と述べた。
トークリレーでは、脱炭素に向けた取り組みとして注目される温室効果ガスを吸収する海藻などで海中に森をつくる「ブルーカーボン」の取り組みについて酒井鈴木工業(酒田市)の担当者が紹介したほか、アーバンスポーツ(鶴岡市)の相星克文代表が庄内の海の現状を報告した。
講演などに先立って鶴岡市の羽黒高校合唱部が若々しい歌声を会場に響かせたほか、地元の海産物・特産品が当たる抽選会、試食会も。加藤理事長は「本県でも海洋環境学習の下地を構築できたら」と話した。