2025年(令和7年) 4月4日(金)付紙面より
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酒田市は2日、市十里塚風力発電所で発電した電力について、今月1日から加藤総業(同市東町一丁目、加藤聡社長)とやまがた新電力(山形市松波三丁目、清野伸昭社長)による「さかた新電力コンソーシアム」(代表企業・加藤総業)を通じ、市内の小中学校など30施設に供給を開始した、と発表した。市役所内で行われた記者発表会では関係者が「子どもたちの環境教育にも大きな意義がある」と期待を述べた。
市によると、脱炭素社会の実現に向け、児童生徒に使用電力などについて考えてもらい、身近な環境への関心を高めてもらおうと30施設への電力供給を決定。昨年12月に学識者を含む8人で構成する「電力地産地消事業プロポーザル審査委員会」(委員長・安川智之副市長)を設置して事業者を募集し、今年1月31日に同コンソーシアムを選定した。
市十里塚風力発電所は全高約119メートル、ブレード直径約82メートルの風車3基で2021年4月に運転開始。年間発電量は計2045万3268キロワット時。やまがた新電力が発電所からの電気を買い入れる。30施設の年間消費電力は約352万8700キロワット時で、これまでより年間電気料金を約2000万円抑制できる見込みという。余剰分は加藤総業が同市内への販売営業などに当たる。契約期間は今年4月1日から28年3月31日までの3年間。コンソーシアムでは出前授業実施のほか、利益の一部を同市に寄付する考え。
2日に市役所で開かれた発表会には矢口明子市長、加藤社長、やまがた新電力の井上喜男常務事業本部長が出席。矢口市長は「酒田は再生可能エネルギーの宝庫で、地産地消を実現したいと考えていたが、2社の協力で実現できる。これを第一歩に再エネが市内に循環することを期待している」、加藤社長は「風車のエネルギーを小中学校に供給する事業ができることに大きな使命感を感じている」、井上常務は「エネルギーの地産地消による脱炭素、地域経済循環づくりによる市への貢献が県内の先進事例となるよう努めていきたい」とそれぞれ抱負を述べた。
2025年(令和7年) 4月4日(金)付紙面より
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鶴岡市湯田川のJA鶴岡湯田川催芽場で1日、温泉の湯に種もみを浸して発芽を促す伝統の「芽出し作業」が本格的に始まった。連日、早朝から作業員たちが種もみの詰まった袋をお湯が満たされた水槽へ浸す作業を行っている。
温泉を活用した芽出し作業は1848(嘉永元)年、地元農家が農業にも温泉を生かそうと始めたのが起源とされる。種もみの袋を33度前後の湯に12時間浸した後、水槽の上に渡した木板の上に並べてむしろで覆い、さらに12時間蒸す。専用機器や自宅の浴槽を使う芽出し作業に比べて低コストで農家の負担が少なく、発芽が均等になるという。
今年は庄内一円の農家から計666件の依頼があり、「はえぬき」や「つや姫」「雪若丸」を中心に約238トンが運び込まれる予定。作業は1日に始まり、連日作業員たちが午前5時から袋を水槽に浸けたり、農家が届けた種もみを運んだりしている。一連の工程は早朝と午前、午後の3回行われ、最も多い日は約26トン分を取り扱う。
2日午後は5人の作業員が芽出し作業に従事。手分けしながら種もみの詰まった袋を丁寧にお湯の中へ浸していた。作業が最盛期を迎える8、9日ごろにはJA職員も加わり15人ほどが作業に当たる。
JA鶴岡の担当職員は「今年は暑くなったり寒くなったり天候が安定していないが、お湯で温まったちょうど良い状態の種もみを農家の皆さんへ引き渡せそうだ」と話していた。
湯田川催芽場での芽出し作業は今月25日ごろまで行われる予定。
2025年(令和7年) 4月4日(金)付紙面より
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山形、秋田両県の高校女子バレーボールチームを対象とした大会「アランマーレカップSAKATA2024」が3月29日、酒田市のINPEX酒田アリーナで開かれ、選手たちが熱戦を繰り広げた。
プレステージ・インターナショナル(本社・東京)の主催。スポーツを通した地域活性活動の一環で、バレーボール国内トップリーグ「大同生命SVリーグ女子」に所属する本県のプレステージ・インターナショナルアランマーレ(アランマーレ山形)、酒田地区バレーボール協会などの協力で開催した。
両県から11校、約120人の選手が出場。2ブロックに分かれ総当たり戦の予選リーグを行った後、勝ち数の多いチームで決勝。各チームの保護者たちも応援に駆け付け、選手たちは互いに声を掛け合い、白熱した試合に汗を流していた。
2025年(令和7年) 4月4日(金)付紙面より
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「松の木橋のだんご屋さん」と市民に親しまれている鶴岡市日和田町のだんご屋2軒が今シーズンの営業を開始した。昨春は1軒が営業を見送ったため、2軒並んでの開店は2年ぶり。3日は早朝から大勢のファンが足を運び、柔らかくおいしい団子を買い求めた。
青龍寺川に架かる松の木橋近くで営業を開始したのは「齋藤だんごや」と「菅原だんごや」。このうち菅原だんごやは2年ぶりの開店で、3日に営業を開始した。また、齋藤だんごやは一足早く1日に営業を開始した。
菅原だんごやでは3日、2代目店主の菅原タミ子さん(85)を中心に親戚など6人が朝から団子作りを進めた。開店の午前8時半とともに次々と常連客が訪れ、一時は店前に人があふれるほど。客たちは「きな粉を6本、あんこ4本」「全部で20本」とそれぞれ注文。
店内ではタミ子さんが団子を黒蜜に浸し、きな粉をまんべんなくまぶすなど手際よく作業が進められる中、店員がタミ子さんたちに注文内容を伝え「お待ちの方、注文どうぞ」と対応に追われていた。
何十年も松の木橋の団子を買い続けているという市内の60代男性は「『今年は営業する』と連絡をもらい、さっそく買いに来た。余計なものを入れていないから買った直後の柔らかさは抜群。ここのだんご屋が開店するとようやく春が来たと実感する」と話していた。
両店とも団子は1本130円。2軒とも営業は約1カ月間の予定。