2025年4月9日 水曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2025年(令和7年) 4月5日(土)付紙面より

ツイート

鯱や格子絵 奉納品の数々展示 大山公園太平山に鎮座「三吉神社」 屋根修復を機に12、13日公開

 鶴岡市大山三丁目の大山公園大平山に鎮座する三吉神社(梅本幸巳宮司)で12、13の両日、神社の屋根部分に取り付けられていた鯱(しゃちほこ)や格子絵、崇敬者などによる奉納品の数々の公開展示が行われる。

 同神社は建久年間(1190~1198年)に羽州の太守・武藤氏が京都の石清水八幡より勧請したのが始まりとされる。1583年、部下の謀反により武藤義氏が自刃した際、社も焼失したが、寛文年間(1661~1672年)に大山城主となった酒井忠解(ただとき)が小さな祠(ほこら)を再興し祭った。享保年間(1716~1735年)に三吉大神を勧請し合祀した。

 現在の社殿は元治元(1864)年から慶応4(68)年にかけて造営された。社が建つ場所はもともと尾浦城(のちの大山城)の主郭だったところで、地元大山地区だけでなく東西田川や飽海郡、最上郡、山北町、新潟県村上市まで崇敬者がいたという。

 築後157年が経過し、老朽化が進行した社殿の屋根部分が破損。「落下の恐れがある」と地元自治会が注意を呼び掛けていた。葺き替えなど大規模な改修が必要となり、梅本宮司や地元住民有志が「三吉神社屋根瓦修復実行委員会」(山本益生委員長)を立ち上げ、クラウドファンディングや寄付で費用を募りながら修繕を続けてきた。

 昨夏から12月にかけて修復工事が行われた際、屋根部分の一対の鯱像を取り外した。この「尾浦の鯱」は現在の社殿が建てられた時に飾られたが、その経緯は伝わっていない。同委員会事務局の山口邦雄さんは「戦国時代の雄として名をはせた武藤家の本丸跡へ、三吉神社を建立したことを知らしめるためではないか」と分析している。

 今回、屋根から外した鯱像をはじめ、神社拝殿の天井に取り付けられていた格子絵、奉納された書や獅子頭、写真など約50点を公開展示する。格子絵は花鳥風月などを題材に、変化に富んでおり漢字(経文字や梵字)、神仏像を描いたものもある。また、北越や庄内で活躍していた彫り物師・後藤重太郎定融の手による社殿正面の欄間も見応えがあるという。

 公開展示の時間は12日(土)、13日(日)とも午前(10時~11時半)、午後(1時~2時半)の2部制。開会時間の5分前に三吉神社前へ集合する。資料は無料配布する。問い合わせは委員会事務局の山口さん=電0235(33)3448=へ。

大山公園に鎮座する三吉神社。屋根に見える鯱は現在外されている=三吉神社屋根瓦修復実行委員会提供
大山公園に鎮座する三吉神社。屋根に見える鯱は現在外されている=三吉神社屋根瓦修復実行委員会提供

長年風雨にさらされ破損した屋根(23年11月時点)。現在はきれいに修繕された=三吉神社屋根瓦修復実行委員会提供
長年風雨にさらされ破損した屋根(23年11月時点)。現在はきれいに修繕された=三吉神社屋根瓦修復実行委員会提供



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field