2025年(令和7年) 4月6日(日)付紙面より
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地域を良くするためのプロジェクトを実施したい人と、支援したい人をつなぐ「コミュニティ財団」。酒田市内での設立に向け、「酒田コミュニティ財団設立準備会」(齋藤知明会長)は現在、広く寄付を募っている。目標金額は「資本金」にあたる基本財産300万円、設立後に行う記念助成に充てる200万円の計500万円。齋藤会長は「コミュニティ財団は『橋』。今まで出会っていなかった人たちをつなげたい。市民の手で、行動でワクワクする酒田にしたい」と話している。
コミュニティ財団は、プロジェクトの実施者と支援者をつなぐとともに、寄付金など資金仲介・提供を行う団体。日本では1990年代後半以降、各地で設立されている。設立準備会によると、東北地方では東日本大震災の発生を機に宮城、福島両県で設立されたものの、本県にはまだないという。
酒田では、市産業振興まちづくりセンター「サンロク」を舞台として齋藤会長らを中心とした検討チームが組織され昨年、設立準備会に移行。「人口減少や若者流出は社会構造の問題で解決するのはわれわれでは難しい。一方、特に若者から酒田に住む・酒田で働くという選択をしてもらうため、市民一人一人ができることがあるのではと考えた。コミュニティ財団の設立はその手段の一つ」(齋藤会長)という。
設立準備会は昨年秋以降、活動を本格化させ同11月、キックオフイベント「サカタ・プロジェクト・デザイナーズ」を実施。高校生・大学生の事業構想を市民と共有するとともに、コミュニティ財団について広く周知し賛同者を募集した。
イメージカラーとして青色と黄金色を採用。設立準備会の松本友哉事務局長によると、青色は酒田の海と空で無限の可能性を、黄金色はたわわに実った稲穂で「結実」をそれぞれ表したという。
設立に向けた寄付は今年9月16日(火)まで募り、今秋の設立、記念イベント開催を目指す。寄付は個人が1口3000円から、法人が1口1万円から。寄付・会費決済サービスサイト「コングラント」によるオンライン受け付け、サンロクでの現地受け付けがある。寄付という性質上、対価性のある特典はないが、ウェブサイトへの氏名・名称の掲載(任意)、設立記念会報の贈呈、記念イベントへの招待を用意している。問い合わせはサンロク内の設立準備会=電090(9082)3958=へ。