2025年(令和7年) 4月8日(火)付紙面より
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鶴岡市馬場町の大寶館で本年度(第48期)企画展「もうすぐ100回!平田杯 甲子園に続く高校球児の夢」が開かれている。庄内地方へ球春到来を告げる高校野球大会の創設者・平田吉郎翁の人物像や、庄内から甲子園大会に出場した歴代高校のユニホームなどが展示されている。
同大会は1927年に鶴岡野球協会(現鶴岡地区野球連盟)初代会長の吉郎翁が「庄内で甲子園に出場するチームを育てよう」と創設し、毎年優勝校にシルバーカップが贈られている。2026年に創設100周年を控えており、今回の企画展は約1世紀にわたる大会の歴史をひもとき、数々のエピソードを紹介する。
大会主旨や吉郎翁の人物像の解説パネル、甲子園出場校のユニホーム、入場行進の写真など約50点を展示。吉郎翁について「無類のスポーツ好きで米国から渡来した“ベースボール”を青少年の健全育成につながると考え、平田杯を創設した」と紹介している。
また、鶴岡で初めて自転車に乗った新しい物好きな一面や、商業の近代化を目指して尽力した経済人としての姿、鶴岡市議会の初代議長として政治に関わったことなども解説している。
甲子園出場校のユニホームは酒田工(現酒田光陵)、酒田東、酒田南、鶴岡工、羽黒、鶴岡東の6点が展示された。特に酒田工のユニホームは試合で見ることはできないため、高校野球ファンにとって貴重な出展。各校が甲子園で入場行進する写真や地方大会優勝の記念盾も一緒に並んでいる。
このほか各大会が中止となったコロナ禍の2020年、平田杯関係者が球児を励ますため、元プロ野球選手・監督の王貞治氏に依頼した「野球に学ぶ!」とのメッセージが書かれた色紙や、吉郎翁自らが東京・銀座の時計店で買い求め、鶴岡まで持ち運んだという純銀製の優勝カップなども展示された。
展示は来年3月31日(火)まで。入館無料。休館日は毎週水曜日。