2025年(令和7年) 4月8日(火)付紙面より
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酒田市日吉町二丁目の国登録有形文化財「山王くらぶ」(指定管理者・チアーズ、加藤明子社長)に、これまで同市山居町一丁目の市観光物産館「酒田夢の倶楽(くら)」で展示・販売されていた「おしん人形」などの品々が移転され4日、新たに「酒田民工芸品館・喫茶『旧料亭 山王くらぶ』」としてリニューアルオープンした。リニューアル後、初の週末となった5日には観光客に桜まんじゅうが先着100人限定で振る舞われるなどにぎわった。
酒田夢の倶楽が、国指定史跡「山居倉庫」から先月27日オープンした商業施設「いろは蔵パーク」に移転したため、展示スペースの問題から「華の館」で展示・販売していたおしん人形や民工芸品が山王くらぶに移された。
山王くらぶでは、これまでイベントスペースとして活用していた「ふれあいの間」を酒田船箪笥や黒柿の小物入れ、酒田凧など木工品や民芸品約50点を展示・販売するスペースに、俳聖・松尾芭蕉や常世田長翠の手紙などのパネルを展示していた「文人墨客の間」をおしんの名場面などの人形約40体を展示した「おしん人形ギャラリー」として、それぞれリニューアルした。
5日には朝から大勢の観光客が訪れ、「最上川 家族との別れ」などおしんの名シーンを表現した人形や酒田の民工芸品を興味深げに見入っていた。加藤社長は「傘福の拠点として知られる山王くらぶだが、新たに民工芸品が加わった。酒田の伝統工芸の発信に力を入れていきたい」、夢の倶楽を運営する酒田観光物産協会の西村修会長は「二つの施設が共にPRに努め、観光客の回遊性を創出していきたい」とそれぞれ話していた。
山王くらぶでは現在公開中の「湊町酒田の傘福」終了後、おしんの原作・脚本を務めた脚本家・橋田壽賀子さんの「生誕100年記念展」を開催する。湊町酒田の傘福開催中は無休。開館時間は午前9時から最終入館午後4時半まで。