2020年(令和2年) 11月18日(水)付紙面より
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鶴岡市社会福祉協議会(山木知也会長)が、今年5月22日で閉館した映画館の旧鶴岡まちなかキネマの建物と駐車場を取得し、事務所を移転する意向を固めた。市社協は取得後、まちキネの一部施設を映画機能付き交流スペースとして貸し出す方針で、近くの山王商店街などでつくる山王まちづくり(三浦新社長)が同スペースの運営管理に当たる。
市社協による旧まちキネの取得は、鶴岡市が17日に開いた市議会に対する主要事項説明会で明らかにした。
市の説明では、市総合保健福祉センターにこ・ふる2階の事務所が手狭となり、新たな事務所用地を探していた市社協が、まちキネを経営していた「まちづくり鶴岡」の最大の債権者で債権団体代表の荘内銀行との間で交渉。市社協は取得に併せ、映画上映機能の一部を地域社会貢献の一環で残すことを構想し、市が調整を図ってきた。市社協が取得するのは旧まちキネの土地約7070平方メートルと、木造平屋建ての旧映画館施設(面積約1580平方メートル)。取得費は詰めの段階に入っているという。
市社協の旧まちキネへの事務所移転は2022年度を予定。市は21年度に予定する交流スペースの改修経費について、2500万円程度を市社協に支援する方針。さらに、映画上映ができる同スペースの管理運営に当たってのスタートアップ補助として、市は運営を担う山王まちづくりに対し、視察や映写機操作研修、人件費など21年度から3年間、総額800万円程度の経費支援を行う方針。交流スペースも市社協移転と同じ22年度のオープンを見込む。
交流スペースについて市は今後、検討会を設置するなどして利活用について幅広く議論することにしている。市社協は同スペースを無償で貸し出す方針。
2020年(令和2年) 11月18日(水)付紙面より
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酒田市新田産業奨励賞の授賞式が16日、同市のガーデンパレスみずほで開かれ、広く市民に愛される牛乳製造の傍ら、庄内産の生乳のみを使用した本県初の国産モッツァレラチーズも手掛けている田村牛乳(亀ケ崎五丁目、田村耕永代表取締役)、市民の食卓を彩る他、贈答用としても引き合いのある最上級のすり身を使用したかまぼこやさつま揚げを製造し続けている阿部五勇氏(中町三丁目、蒲徳商店代表)の1社1個人に丸山至市長が賞状などを贈った。
この賞は、同市名誉市民の新田嘉一平田牧場グループ会長(87)=同市楢橋=の寄付を基に、市が1990年に創設した。地域産業の振興に貢献し他の模範となっている企業・個人・団体を顕彰している。
31回目となる今年の授賞式には、市の幹部や市議会、市内の商工団体の関係者ら約50人が出席。丸山市長が式辞でそれぞれの功績を紹介した上、「このたびの受賞を契機に一層の活躍と繁栄を期待する」と述べ、田村代表取締役、阿部代表に表彰状と記念の盾などを贈った。
来賓として登壇した新田会長は「三十数年前、酒田は大火、北港開発の頓挫などでどん底だった。当時の相馬大作市長と『このままでは酒田の火が消える』と話していた。ここに生まれた人が一人でも多くの雇用をつくり、頑張らないといけないと、相馬さんから提案されて創設したのがこの賞。これに応えてくれたのが、セイコーエプソン社長を務めていた故中村恒也さん(酒田市名誉市民)。中村さんの尽力でこの地に東北エプソンが進出し、雇用を創出してくれた。ここに住むみんながその気になって頑張り、『住んで良かった』と思える酒田にしていこう」と呼び掛けた。
小松原俊市議会議長、弦巻伸酒田商工会議所会頭の祝辞に続き、受賞者を代表し田村代表取締役が「身が引き締まる思い。授賞は自社のために働いてくれる社員、商品を取引いただいている企業、市民の皆さんのおかげ。これからも自社・酒田の発展のため決意を新たに産業に尽くしていきたい」と謝辞を述べた。