2020年(令和2年) 3月26日(木)付紙面より
ツイート
「21年夏までに」首相とIOC会長合意
今夏開催の東京五輪・パラリンピックが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、1年程度延期されることになった。五輪が戦争などで中止された例はあるが、延期は史上初。これに伴い、26日に福島県をスタートし全国を巡回する予定だった聖火リレーも中止が決まった。
安倍晋三首相が24日夜、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と電話会談し、東京五輪・パラリンピックを延期し、遅くとも2021年夏までに開催することで合意した。会談後、首相公邸前で会見した安倍首相は、電話会談でバッハ会長に対し、「現下の状況を踏まえ、世界のアスリートが最高のコンディションでプレーでき、観客にとって安全で安心な大会とするために、おおむね1年程度延期することを軸に検討してほしい」と提案したことを明らかにした。バッハ会長は「100パーセント同意する」と応じたという。会談では中止はないことを両者が確認した。
その上で安倍首相は「今後、人類が新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証しとして完全な形で東京五輪・パラリンピックを開催するために、バッハ会長と緊密に連携していくことで一致した。日本は開催国の責任をしっかりと果たしていく」と強調した。
東京五輪は7月24日に開幕予定だった。開催の1年程度延期に伴い、既に決定している日本代表選手や今後予定されている代表選考の取り扱いなどについて、国内の各競技団体にとっては大きな課題となりそうだ。
国内聖火リレー中止
一方、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は24日夜、国内の聖火リレー中止を発表した。
組織委は東京五輪の延期日程に合わせ、あらためて聖火リレーの日程を決める。既に公表しているリレーのルートを尊重し、聖火ランナーも優先的に起用する方針を示した。庄内地域では6月8日に鶴岡市、遊佐町、酒田市の順で、庄内では初となる聖火リレーが行われる予定だった。
2020年(令和2年) 3月26日(木)付紙面より
ツイート
鶴岡市で絹製品の企画・販売を手掛ける鶴岡シルク(鶴岡市大宝寺日本国、大和匡輔社長)は24日、国産シルク100%の「メイド・イン・ツルオカ」のマスクの本格販売を開始した。
厚手のシルクのサテン生地を4枚重ね、間にガーゼを入れ、直接肌に接する面にはシルクのシフォンを重ねることができる。シフォンによって口紅やファンデーションの付着を防ぐ構造。6種類の型紙を使い、裁断、縫製、アイロンと全工程を同社が培ってきた手業(てわざ)でハンドメードする。絹本来の抗菌効果に加え、さらに抗菌加工が施してあり、抗酸化作用や紫外線も吸収する働きがあるという。丸洗いして何十回でも使用できるため非常に経済的で、何よりも天然由来のため肌に優しい。不織布アレルギーの人でも安心して使用できる。
市場がマスク不足に陥る以前から開発を始め、今月完成をみた。今月12日から横浜市の京急百貨店で開催された同社のフェアで7日間限定で販売し、1日につき30枚ずつ用意したが連日完売。鶴岡市の本社にも全国からの問い合わせが相次ぎインターネット注文は1週間待ちの状態という。
「一日に作れる枚数を考えると採算は取れない。当社も度重なるイベントのキャンセルなどにより仕事が減って大変。しかし、従業員と共に一丸となり、今まで培ってきた技術で鶴岡シルクの灯を消さないように取り組んでいる」と大和社長は熱く語る。
24日は同市松ケ岡開墾場の「kibiso」ショップで本格販売が開始された。他に、鶴岡まちなかキネマ、萬国屋、たちばなや、亀や、一久、スイデンテラスでも販売される。
問い合わせは鶴岡シルク=電0235(29)1607=へ。