2021年(令和3年) 2月24日(水)付紙面より
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新型コロナウイルスの影響で卒業式に伴う謝恩会などの宴会の中止や縮小を受け、鶴岡市のグランドエル・サン(早坂和男社長)は同市内の小・中・高校に、卒業生が記念に写真撮影できるパネルの無償提供を行っている。
同社は昨年、コロナ禍の卒業生たちに思い出づくりの場を提供しようと、無料の写真撮影ブースを設置し、撮影やプリントのサービスを行った。今年はお祝いの気持ちを届けようと、市内約50の学校を対象に、提案に応じた学校のみに贈っている。パネルは卒業証書や桜柄の2種を用意した。
15日には同社のある地元小学校の朝暘二小(高野勝彦校長)の6年生58人に贈呈。パネルは縦2メートル、横2・7メートルの大きさで、同校では来月18日の卒業式に児童の昇降口前に設置する予定という。
パネルが贈られた6年生の野口結生(ゆうせい)さん(12)は、「卒業式ではお世話になった人にありがとうの気持ちを込めたい。中学校では部活と勉強との両立を頑張りたい」と話していた。
2021年(令和3年) 2月24日(水)付紙面より
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ふるさと納税返礼品の拡充に取り組む鶴岡市は、3月1―31日までの期間限定で返礼品に県産蓄養マフグの刺し身と空揚げを新たに加え、蓄養の普及とPRを図る。
県は底引き網漁業の禁漁期やしけの多い冬期間の漁獲物の安定供給を課題に、昨年から「蓄養モデル実証事業」に取り組んでいる。使用されていなかった同市三瀬にある県栽培漁業センターの屋外水槽に着目し、地元漁師が水揚げしてきたフグを水槽で一時的に管理。しけなどで出漁できない日でも安定した供給ができる体制づくりを試験的に実施している。
これまで料理人などの注文に合わせて随時出荷しており、県によれば15日時点でおよそ200尾のマフグを蓄養している。
返礼品は同市の加茂水族館内に併設する魚匠ダイニング沖海月と、旅館仁三郎が提供する。マイナス20度で急速冷凍することで鮮度を封じ込めた刺し身セット2種と、甘口のしょうゆで味付けした空揚げセット2種を用意した。刺し身は常温で10分ほどで自然解凍でき、空揚げは冷凍のまま油で揚げることができる。いずれも寄付額は1万2000円からとなっている。
22日には沖海月でお披露目会が行われ、同館の奥泉和也館長をはじめ市や県、地元漁師などが出席。実際に包装された状態から取り出して自然解凍し、実食した。同事業を活用している同市小波渡の漁師、鈴木重作さん(67)は「捕ってから処理し、調理するまでの連携がないと、提供は実現できない。互いに価値を高め合って連携すれば、まだまだ庄内に眠る産物を見つけることができると思う。今後は足元である地元にPRし、フグ文化を根付かせていきたい」と力を込めた。